マーケティングブログ

ノーベル経済学賞受賞!いま「行動経済学」がアツい

2017.10.18

今年の秋も、ノーベル賞の話題がニュースをにぎわせましたね。
中でも特に私が興味を持ったのは、ノーベル経済学賞を受賞された、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授です。
セイラー教授は、「行動経済学」の権威として知られている人物です。
2000年以降、行動経済学者の受賞はセイラー教授の他にもおり、経済学の中では特に注目を集めている分野と言えそうです。

経済学というと、なんだか固そうなイメージや、アレルギーに近い感情を抱く方もいるのではないでしょうか?
しかし、この「行動経済学」、日常のちょっとした行動や人の心理が、どう経済活動に繋がるかを分析することができる、非常に興味深い分野だと感じています。

 

行動経済学は、日常生活における身近な経済行動(買い物や投資など)について、心理学を交えて分析します。
標準的な経済学は、精緻な数学的モデルを築くための“極めて合理的な”仮設を多く置いていますが、それに異を唱え、「人間的な」要素を多分に反映した分野といえるでしょう。

例えば、伝統的な経済学における「情報の完全性」。
売り手と買い手は、財やサービスの効用などについて、全ての情報を知っているという理論です。
しかしご存知のとおり、情報を持つ人と持たない人では、経済活動に与える影響は大きく異なります(情報の非対称性、と言うこともあります。)

この分野、実は大学時代の私の研究テーマだったのですが、よく教授が「なぜ、海の家のラーメンはマズいか」という例を出していました。
海の家に来る客層はほとんどが1回限りの客で、また店を選べない状況も多い。
その情報を持たない客は不利益(=まずい)を被り、店側はラーメンにコストをかけずに利益を得られる。
売り手(店)側と買い手(客)側に情報格差が生じることで、経済的・あるいは効用(満足度)における格差が生じる例です。
(しかし今は、口コミ投稿やSNSが普及しましたので、この例はもう古いかも、ですね。)

その他、セイラー氏個人とは離れますが、行動経済学がきっかけで、マーケティングに活かされているものの例として、「アンカリング効果」というものがあります。
これは、最初もしくは同時に提示された特定の特徴や数値(価格)、情報が印象に強く残ってしまい、意思決定や判断に影響をおよぼす傾向のことを言います。
例)通常価格5万円→特別価格3万円
上記例の場合、冒頭の「5万円」がアンカー(=錨)となり、次に表示されている3万円を目にすると、購買意欲が高まります。

また、私はマーケティングリサーチをメインに担当していますが、リサーチにおける「行動観察調査」(エスノグラフィー)も注目されている分野です。
アンケートやインタビューでは出てこない、消費者の行動から、販売戦略を立てようというもので、ビデオ録画で日常生活を見たり、スーパーなど特定の場所での動線を観察したりします。
無意識の「行動」や「心理」が、消費行動や経済へ与える影響、考え始めたら、まだまだたくさんありそうですね。

「行動経済学」の面白さ、少しでも感じていただけたなら、嬉しい限りです。
最後に、ノーベル経済学賞受賞に際しての、セイラー氏インタビューの一場面をご紹介します。
記者:ノーベル賞の賞金の使い道は?
セイラー氏:できるだけ非合理的に使うようにしたい

何だかカッコいいですね!私も「今日からダイエット」といいながら、ドーナツをほおばる今です。
とかく、人は非合理的な存在ですから。

グローカルマーケティング株式会社
マーケティング支援部 平山陽子

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