コンサルティング部 シニアコンサルタント
地域に密着した情報提供で多くの人々の暮らしを支える株式会社ニューメディア様。
既加入者へのカスタマーサポート強化と、将来的な見込み客育成という二つの目標を掲げ、LINE公式アカウントの運用を強化されていました。
その中で、「運用の最適化」「効果検証の実施」「MAツールの選定」という3つの課題に対し、LINE公式アカウントの現状分析から、セグメント配信の活用、そして最適なMAツールの検討まで、多角的なご支援を実施いたしました。
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ご依頼頂いた背景・解決したい課題
ニューメディア様のLINE公式アカウントでは、主に既存顧客へのカスタマーサポートや情報発信などを目的に運用をしていらっしゃいました。
しかし、その中でより顧客満足度を高める運用が求められており、改善を検討する必要がありました。
また、将来的には未加入者にも友だち登録を促し、見込み顧客の育成ツールとしても活用していきたいと考えられていました。
そのため、チャットボットをはじめとする外部のMA(マーケティングオートメーション)ツールの導入も視野にいれご支援を進めさせていただきました。
ご支援内容
主な支援内容は以下の2つです。
✓ LINE公式アカウント運用改善コンサルティング
✓ MAツール選定支援
既存の友だちの満足度向上施策の検討・効果検証と、外部MAツール導入の方針決定を主軸に、オンライン型で支援を行いました。
現状分析
運用状況のヒアリング
まず、運用目的の整理を行いました。SNS運用においては、目的を明確にすることが重要です。
目的が曖昧なままだと、効果的な運用ができず、時間や手間を浪費してしまう可能性があるためです。
次に、配信内容と配信頻度の確認を行いました。LINE公式アカウントは、消費者にとって最も身近なSNSである分、配信頻度や内容には細心の注意が必要です。
配信が多すぎたり、受け手にとって関心の薄い内容が続くと、不快感を与え、ブロックされるリスクが高まります。
数値分析
LINE公式アカウントには、友だちの属性や配信メッセージへの反応を分析できる機能が備わっています。これにより、データをもとに効果的な配信内容を検討し、運用の改善につなげることが可能です。
今回の分析では、同社のアカウント状況としては開封率やクリック率が高く、関心度の高い友だちが多いことが分かった一方で、ブロック率がやや高めであることも判明し、改善の余地があることが確認されました。
運用改善
改善内容のご提言
現状分析や数値分析の結果から、ブロック率が高い要因の一つとして、配信内容が一部の友だちに合っていない可能性があると仮説を立てました。
そこで、配信の最適化に向けて「セグメント配信」をはじめとする複合的な活用をご提案いたしました。
セグメント配信は、性別や年齢といった友だちの属性でターゲットを絞ったり、過去の配信に反応した友だちのみにメッセージを送る機能です。
これにより、ブロック率の低下や不要な配信数の削減が期待できます。
同社においても、すべての配信を一律に送るのではなく、一部の配信でセグメント配信を活用する方針を決定しました。

▲ 実際にご提案をさせていただいた活用方法の一部
改善内容の効果検証
2回目のご支援では、実際に行ったセグメント配信の数値分析を実施しました。
その結果、行った配信によるブロックは発生せず、さらに開封率も通常の配信より高いことが確認され、セグメント配信の効果が見られました。
この成果を踏まえ、今後はセグメント配信を活用し、新サービスに関するメッセージ配信なども踏まえた運用を進めていく方針となりました。
MAツール導入の検討
まず前提として、MAツールを導入する前に、LINE公式アカウントの機能をしっかりと活用することが重要です。
LINE公式アカウント内には豊富な機能が備わっています。外部ツールを導入する前に、まずは既存の機能を使いこなし、それでも足りない場合にMAツールの導入を検討するのが合理的です。
また、MAツールの選定においては、多種多様な選択肢があるため、自社の運用に最適なものを見極める必要があります。
MAツールには、包括的な機能を持つものから、一部の機能に特化したもの、運用代行を提供するものまでさまざまな種類があります。
自社アカウントの理想と現状のギャップを整理し、必要な機能を明確にした上で選定することが求められます。
ツール名 | 特徴 | 月額 | 市区町村単位 セグメント配信 | チャットボット 機能 |
Lステップ | 最大手 | – | – | – |
L Massage | 安価で最小限 | – | – | – |
DMMチャット ブースト | 汎用的な自動化 | – | – | – |
Liny | CRM機能充実 | – | – | – |
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▲ ツール導入における一部拡張ツールのご紹介・提案(イメージ)
今回のご支援では、大手MAツールから一部の機能に特化したMAツールまで、機能やコストの観点から比較・検討を行いました。
その結果、必要な機能として「詳細な地域へのセグメント配信」が最優先事項であると確認し、今後はその要件を満たすMAツールの導入を検討していくことになりました。
成果
メッセージ開封率の大幅な向上
計画的にメッセージ配信を行ったことで、特定のユーザー層に最適化されたメッセージが届けられるようになり、試験的な配信では開封率が約88%に達しました。
これは目標値として設定していた60%を大きく上回る結果であり、メッセージがよりユーザーに「届く」ようになったことを示しています 。
ブロック率の改善
セグメント配信の活用により、ユーザーの興味関心に合致した情報が配信されることで、ブロック率の低下に繋がります。これにより、今後無駄なメッセージ配信が減り、顧客体験の向上につながることが期待されます。
MAツール導入方針の明確化
複数的のMAツールの比較検討と優先順位付けを通じて、現状の課題解決に最適なツール選定の方向性が明確になりました。
地域別配信を最優先としたセグメント配信の拡張機能を持つツール導入を本格的に検討していく段階に入ることができています。
最後に
SNS運用では、アカウントを開設した時や、同社のようにアカウントの規模が拡大した際は、運用方針を改めて見直すことが重要です。その方針によって、得られる効果やかかるコストが大きく変わるため、長期的かつ戦略的な視点で慎重に検討する必要があります。
弊社では、今回のような運用方針の決定サポートをはじめ、アカウントの立ち上げや運用計画の策定など、企業様の運用フェーズに応じた幅広い支援を行っています。現状打破のための打ち手を検討している方は、まずはお気軽にご相談ください。
また、ニューメディア様は過去にInstagram運用における伴走支援も行わせていただいております。
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