コンサルティング部 コンサルタント
補助金申請の成否を大きく左右する事業計画書。
ポストコロナの経済社会の変化に対応しようとする中小企業にとって、その重要性はますます高まっています。
本記事では、2025年3月最新の情報として、注目すべき主要な補助金制度と、審査通過率を向上させるための事業計画書の作成ポイントを、金融機関、中小企業経営者、全国の商工会・商工会議所の経営指導員の皆様に向けて解説します。
※記載の内容は2025年3月19日時点の情報です。最新の情報については各補助金の制度元の詳細をご確認ください。
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Table of Contents Plus
事業再構築、生産性向上、省力化、販路開拓を支援する主要補助金
現在、意欲ある中小企業等の挑戦を後押しするため、以下の主要な補助金制度が公募されています。
事業再構築補助金
ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために、新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰、地域サプライチェーン維持・強靱化又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する、中小企業等の挑戦を支援します。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者の設備投資、IT導入、国内外の販路開拓、事業承継・引継ぎを補助し、切れ目なく継続的に、成長投資の加速化と事業環境変化への対応を支援することが目的です。
中小企業省力化投資補助金
中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするために、人手不足に悩む中小企業等に対して、省力化投資を支援します。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者が直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃金引上げ、インボイス導入等)等に対応するため、経営計画を作成し、それらに基づいて行う販路開拓の取組み等の経費の一部を補助するものです。
これらの補助金を活用するためには、各制度の目的と要件を深く理解し、自社の事業計画がどのように貢献できるのかを明確に示す必要があります。
審査通過率を高める事業計画書作成の要諦
補助金審査では、事業計画書を通じて、申請者の「熱意」「実現可能性」「将来性」が見極められます。
各補助金の目的に沿って、以下のポイントを意識しましょう。
①明確な事業の方向性と根拠
事業再構築補助金
:ポストコロナにおける社会経済の変化を捉え、いかに大胆な事業再構築を目指すのか、その必要性と独自性を具体的に記述します。
ものづくり補助金
:生産性向上に資する具体的な設備投資やサービス開発の内容、導入による効果を数値で示します。
中小企業省力化投資補助金
:人手不足の現状と、省力化投資によってどのように課題を解決し、生産性向上に繋げるのかを明確にします。
小規模事業者持続化補助金
:制度変更への対応策、経営計画に基づいた具体的な販路開拓の取り組み内容とその効果を説明します。
②定量的な目標設定と達成への道筋
売上、利益、顧客獲得数など、具体的な数値目標を設定し、それを達成するための具体的なステップとスケジュールを示します。
③市場分析と競争優位性
ターゲット市場の特性や競合の状況を分析し、自社の強みや差別化ポイントを明確に打ち出します。
④実行体制と資金計画
計画を実行するための組織体制、人員配置、必要な資金とその調達計画を具体的に記述します。
⑤補助金の必要性と費用対効果
補助金が事業の推進に不可欠である理由、補助金額の妥当性、投資対効果などを論理的に説明します。
補助金活用例!業種別の計画書ポイント
計画書に盛り込むべき実践的な要素を、より活用イメージを膨らませていただくために、
① 飲食小売業(BtoC)
② 建設業(BtoB)
③ サービス業(BtoC)
の3業種別の活用例に関してお伝えします。
飲食・小売業(BtoC)
事業再構築補助金(冷凍食品ECサイト構築)
ターゲット顧客層(共働き世帯、単身高齢者など)を明確にし、それぞれのニーズに合わせた商品開発とプロモーション戦略を具体的に記述。
競合ECサイトとの差別化ポイント(例:独自の調理法、地域食材の活用)を強調する。
小規模事業者持続化補助金(SNS活用とECサイト構築)
具体的なSNS運用計画(投稿頻度、コンテンツ内容、ターゲット層へのアプローチ方法)と、ECサイトの具体的な機能(決済方法、配送方法、顧客対応)を記述。
KPI(重要業績評価指標)を設定し、効果測定の方法を示す。
建設業(BtoB)
ものづくり補助金(3Dスキャナー・ドローン導入)
導入する機器の具体的なスペック(精度、処理能力など)を明記し、現状の業務フローと比較して、どの程度の時間短縮、コスト削減が見込めるかを数値で示す。
導入後の技術者の研修計画や安全管理体制についても言及する。
中小企業省力化投資補助金(自動搬送ロボット導入)
導入するロボットの具体的な動作フロー、安全性対策、既存システムとの連携方法などを詳細に記述。導入後の人員配置計画や、削減できる人件費を具体的に示す。
サービス業(BtoC)
事業再構築補助金(オンラインフィットネスプログラム開発)
ターゲット層(運動不足を感じるビジネスパーソン、育児中の主婦など)のニーズを分析し、提供するプログラムの内容、配信頻度、料金体系などを具体的に記述。オンラインならではの付加価値(例:個別指導、コミュニティ機能)を強調する。
小規模事業者持続化補助金(最新美容機器導入と顧客管理システム導入)
導入する機器の機能と、顧客への具体的なメリット(施術時間の短縮、効果の向上など)を説明。
顧客管理システムで収集する情報とその活用方法(例:パーソナライズされた情報提供、リピーター向けキャンペーン)を具体的に記述する。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
補助金申請を成功させるためには、各制度の趣旨を理解し、具体的なデータや数値を盛り込んだ、実現可能性の高い事業計画書を作成することが不可欠です。
本記事で紹介した実践的なポイントを参考に、審査員の心に響く事業計画書を作成してください。
事業計画書の作成に課題を感じている場合は、ぜひ弊社までご相談ください。
最新の補助金情報に基づき、貴社の事業の強みを最大限に引き出す、実践的な事業計画書の作成をサポートいたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました!