コラム

部下のやる気を引き出し、行動を変える面談術!「OARS」と「SMART」の活用法

2026.03.06

こんにちは!グローカルマーケティングの山倉です。

マネージャーやリーダーの皆様、部下との「面談」において、こんなお悩みはありませんか?

✔ 部下がなかなか本音を話してくれない
✔ 目標設定がいつも曖昧で、『頑張ります』で終わってしまう
✔ 面談の回数は増えているけど、会社の成果につながらない

近年、人財育成の観点から1on1面談やメンター制度、評価面談など、定期的な面談の場を設ける企業が増えています。
一方で、「せっかく時間を割いてもタスクの進捗確認で終わってしまう」「価値観の多様化や世代間ギャップもあり、どう動機付けすればいいか分からない」「関係性構築がうまくいかず、上司ばかりが話し疲れてしまう」と、かえって上司の負担になっているケースも少なくありません。
同時に部下側も、「上司の考えを押し付けられるだけ」「単なる進捗確認の時間になっている」と不満を抱え、せっかくの面談がモチベーションの低下を招く悪循環に陥っていることも多いものです。

しかし、組織で働く以上、人と人とのコミュニケーションは不可欠です。面談は単なる業務報告の場ではなく、部下の成長を加速させる絶好のチャンスになり得ます。

今回は、個々のメンバーの可能性を引き出し、効果的な目標設定へと導くための2つの強力なフレームワーク、「OARS(オールズ)」と「SMART(スマート)」をご紹介します。
ある営業部の山田マネージャーと、入社3年目の若手社員・佐藤さんの面談風景を覗いてみましょう。

面談スタート しかし、対話が進まない、、、

【Scene1】部下の本音を引き出すには?~面談の始まり~

山田マネージャー(以下、山田):
「佐藤さん、今期の目標について面談を始めようか。最近、仕事はどう?」
佐藤さん(以下、佐藤):
「はい、特に問題なく、普通にやっています……」
山田:
(心の声:いつもこのパターンだ。どうすればもっと前向きな言葉を引き出せるだろう……?)

「OARS(オールズ)」による動機付け

◆ 個々のメンバーの可能性を引き出す「OARS(オールズ)」

部下の動機づけを行うには、まず相手の心を開き、内面にある想いや考えを引き出す必要があります。そのための基本スキルが「OARS(オールズ)」です。

O:「開かれた質問」 Open Ended Question
「はい」「いいえ」の二択で答えられない質問のこと。相手の考えや感情、行動の背景を自由に語らせることで、上司の先入観を挟まずに本音を引き出します。
×「今の仕事は順調?」(はい/いいえで終わってしまう)
〇「最近の業務で、一番やりがいを感じたのはどんな時?」

A:「是認(認めて肯定する、ほめる)」 Affirmation
部下の強み、努力、過去の成功体験に意図的に注目し、敬意を持って言葉にして認めること。自己肯定感を高め、「自分なら変われる、達成できる」という自信を持たせるフィードバックを実施します。
「先月のトラブル対応、逃げずに最後までやり切ってくれたね。あの状況での冷静な判断力は本当に素晴らしいと思うよ」

R:「聞き返し(振り返り、反映)」 Reflective Listening
相手の発言を単にオウム返しするだけでなく、その言葉の裏にある「感情」や「真意」を汲み取って言葉にして返すこと。相手は「深く理解してもらえている」と安心し、さらに深い思いを話しやすくなります。
部下「最近、イレギュラーな依頼が多くてバタバタしています……」
上司「予定通りに進まないことが多くて、少し焦りや負担を感じているんだね」

S:「要約」 Summarize
ここまでの対話の内容を整理し、相手に確認すること。単なるまとめではなく、言葉の順序や表現を工夫することで相手のモチベーションを後押しします。
人は「後に言われた言葉」の印象が強く残るため、前向きな気持ちを後半に持ってくるのがポイントです。
×「新しいプロジェクトに挑戦したいけれど、失敗への不安もあるんだね」(不安が強調される)
〇「失敗への不安はあるけれど、それでも新しいプロジェクトに挑戦してみたいという強い気持ちがあるんだね」(挑戦意欲が強調される)

【Scene2】OARSで「動機」を引き出す

山田マネージャーは、OARSを意識して質問を変えてみました。

山田(O:開かれた質問):
「『普通』かぁ。ちなみに、この半年間で、佐藤さんが一番『やりがいを感じた』のはどんな仕事だった?」
佐藤:
「えっと……先月のA社への提案資料を作った時ですかね。データ分析から課題を洗い出す作業が面白かったです」
山田(A:是認):
「あの資料は素晴らしかったね!データに基づく説得力があって、佐藤さんのリサーチ力の高さがよく表れていたよ」
佐藤:
「ありがとうございます。実は、もっとお客様の深いニーズを自分でヒアリングできたら、より良い提案ができるんじゃないかと思っているんです」
山田(R:聞き返し):
「なるほど。ただ資料を作るだけでなく、お客様の生の声を聞いて、提案の質をさらに高めたいと感じているんだね」
佐藤:
「はい、そうなんです!でも、自分はまだ経験が浅いので……」
山田(S:要約):
「経験不足への不安はあるけれど、自分のリサーチ力を活かして、直接お客様の課題解決に関わる仕事に挑戦してみたい、ということだね。その方向で今期の目標を立ててみようか!」
佐藤:
「はい!ぜひお願いします!」

スマートに目標設定

◆ 論理的にスマートにゴールを示す「SMART(スマート)」

OARSによって佐藤さんの「やりたいこと(動機)」が明確になりました。しかし、ビジネスの現場で「ヒアリングを頑張ります!」はご法度です。想いや願望を、論理的かつ効果的な目標に落とし込むフレームワークが「SMART」です。

S:Specific(具体的内容)
誰が見ても同じ状態をイメージできる、具体的で明確な内容にすること。抽象的な表現を避け、実際の行動レベルまで落とし込みます。
×「コミュニケーションを円滑にする」
〇「毎朝の朝礼で、各メンバーから一言ずつ進捗を共有する時間を設ける」

M:Measurable(測定可能)
目標の達成度合いを客観的に測定できるよう、定性的な状態ではなく、定量的な(数値化された)目標を設定すること。
×「ホームページからの集客を増やす」
〇「ホームページからの問い合わせ件数を月間〇件にする」

A:Achievable(達成可能)
単なる想いや高すぎる願望ではなく、本人のスキルや状況を踏まえて、現実的に達成可能な水準に設定すること。「ほんとに出来るの?」と疑問符がつくような目標ではなく、手が届く具体的なステップを示します。
×「(現在フォロワー100人の状態で)今月中にInstagramのフォロワーを1万人にする」
〇「まずは週3回の投稿を継続し、今月末までにフォロワーを〇〇人に増やす」

R:Related(関連性)
設定する目標が、部署の目標や会社全体のビジョン(上位目標)と連動し、一貫性があること。自分の仕事が会社の成果にどう結びついているかが腹落ちすると、行動の動機付けが強くなります。
「(会社の売上をアップさせるという目標に対して)自分が担当するECサイトの売上を〇%アップさせる」

T:Time-bound(期限)
「いつか出来たらいいな」ではなく、いつまでに達成するのか明確な期限を設けること。期限があることで、初めて「今日何をすべきか」という逆算の計画が立てられるようになります。
×「なるべく早く業務マニュアルを作成する」
〇「〇月〇日の部門会議までに、新しい業務マニュアルの初版を提出する」

【Scene3】SMARTで「目標」を具体化する

山田:
「では、その『お客様へのヒアリング』を目標にしよう。具体的にどんな行動をする?(Specific)」
佐藤:
「既存のお客様を訪問して、現在の課題をヒアリングします」
山田:
「いいね。どれくらいの数を目標にしようか?達成度が後から分かるようにしたいね(Measurable)」
佐藤:
「週に2件……月に8件のヒアリングシート提出を目指します!」
山田:
「今の業務量とのバランスを考えて、確実に達成できるペースかな?(Achievable)」
佐藤:
「はい、時間の使い方も見直す良い機会になるので、やりきれます!」
山田:
「素晴らしい。これは部署の『顧客満足度向上とアップセル』という今期の全体目標にも直結する重要な動きだよ(Related)」
佐藤:
「はい!頑張ります!」
山田:
「よし。では、この『月8件のヒアリング』を、今月から半年後の期末まで継続しよう(Time-bound)。定期的に進捗を確認していくからね」

まとめ:面談が人財育成と組織の成果を変える

いかがでしたでしょうか。

面談は、単なる評価の場や目標の押し付けの場ではありません。

まずは「OARS」を使って部下の心を開き、内発的な動機(モチベーション)を引き出すこと。 そして、その想いを「SMART」を使って、論理的で具体的な行動目標へと変換すること。

この2つのステップを踏むことで、「頑張ります」という曖昧な言葉は消え、部下の成長と組織の成果が変わります。
ぜひ次回の面談から、この「OARS」と「SMART」を意識して取り入れてみてください。


◆ さらに実践的な「対話術」を学びたい方へ

今回ご紹介したフレームワークは強力な第一歩ですが、多様性の時代において「頭では分かっていても、実際の面談ではうまく言葉が出てこない」「ハラスメントが気になって、どこまで厳しく指導していいのか分からない」と悩むマネージャーの方も多いのではないでしょうか。

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お気軽にご相談ください。

私が担当しました!
山倉 正稔

コンサルティング部 シニアコンサルタント

A Good Impact 【職場づくり、事業計画、農家の左腕】企業の問題点・課題をヒアリングし、課題解決に向けた施策の提案をしています。現在は、人財採用、定着に関するセミナーや職場づくりコンサルティ…

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