コンサルティング部 トップコンサルタント
こんにちは、グローカルマーケティングの武田です!
貴社では生成AI活用において、どのツールを選択されていますか? 「ChatGPTが有名」「GoogleのGeminiも便利」といった声がよく聞かれます。一方で、Microsoftの「Copilot(コパイロット)」については、「名前は知っているけれど使ったことがない」「意外と活用シーンが知られていない」というケースも多いのではないでしょうか。
実は、この状況は非常にもったいない可能性があります。
特に、「会社のセキュリティルールでChatGPTやGoogle拡張機能が制限されている」という環境においては、Windows PCに標準搭載されているMicrosoft EdgeブラウザとCopilotの組み合わせが、有力な選択肢となるケースがあります。
今回は、「無料の個人アカウント」でも業務効率化につながる可能性があるCopilotの活用術を厳選してご紹介します。(別記事で、職場アカウント(有料版)における活用法についても解説します。)
なお弊社では、「生成AI活用」について30分無料オンライン相談を承っています。組織全体での効果的な導入方法や、セキュリティに関するお悩みなど、お気軽にご相談ください。
無料オンラインセミナー情報: 職場で本当に使える「Microsoft Copilot」の徹底活用講座
▼ 目次はコチラ ※クリックすると該当の箇所までスクロールします。
Table of Contents Plus
Microsoft Copilotとは?どこから使えるのか
Microsoft Copilotは、その名の通り皆さんの「副操縦士(Co-pilot)」として作業をサポートする生成AIです。ChatGPT(OpenAI社)の技術をベースにしつつ、Microsoft製品との連携が特徴となっています。
アクセス方法は主に以下の4つがあります。
①Windows 11 アプリ(タスクバーから起動)
②Microsoft Edge(ブラウザのサイドバーから起動)
③Webブラウザ(Chromeなどからサイトへアクセス)
④スマートフォンアプリ
特にWindowsユーザーの方におすすめしたいのが、「Microsoft Edge」からの利用です。ブラウザとAIが一体化しているため、「今見ているページ」について相談するといった使い方をスムーズに行うことができます。
【重要】「個人アカウント」と「職場アカウント」の違い
活用を始める前に、必ず押さえておきたいのが「アカウントの違い」です。Microsoftには大きく分けて2つのアカウントがあります。
①個人アカウント(無料)
・誰でも無料で作成可能です。
・注意点:入力したデータがAIの学習に利用される可能性があります。機密情報や個人情報は絶対に入力しないでください。
②職場・学校アカウント(有料//Microsoft Entra ID)
・企業が管理するアカウントです。
・特徴:データ保護機能があり、入力データが学習に使われない設定が可能です。
今回は「1. 個人アカウント(無料版)」を使った、公開情報の調査やアイデア出しに特化した活用法をご紹介します。
Copilot(無料版)で注目すべき3つの特徴
ChatGPTやGeminiと比較した際、Copilot(特にEdge版)には以下の特徴があります。
1. ブラウザ標準搭載という利点
多くの企業では、セキュリティ対策として「ChatGPT」や「Chromeの拡張機能」をブロックしている場合があります。一方で、Windows標準の「Edge」とその機能である「Copilot」については制限されていない(または物理的に削除できない)ケースも見られます。 これを活用すれば、特殊なツールを導入せずとも、社内PCでAIアシスタントの機能を利用できる可能性があります。
2. 最新モデルを無料で利用可能
Copilotは無料版であっても、バックグラウンドでは高性能な生成AIモデル(例GPT5.1クラス)が動作しています。検索能力も備えており、「Deep Research(深掘り調査)」などの高度な機能も(回数制限等はありますが)利用できます。
※モデル例は本コラム執筆時点のものです。
3. 「画面共有」しながらの対話に対応
ブラウザで見ているWebページやPDFを、AIと一緒に参照しながら会話ができます。「このページの内容を要約して」「この表を分析して」といった指示が、コピペ不要で実現できます。
明日から使えるCopilot活用テクニック
具体的な使い方をご紹介します。
テクニック1:Edgeブラウザで「見ている画面」を即要約
Edgeブラウザで長いニュース記事やレポート、あるいはYouTube動画を開いてみてください。その状態で画面右上のCopilotアイコンをクリックし、次のように指示します。
「このページを要約して」
この指示だけで、サイドバーに要約が表示されます。動画であれば、動画の内容を解析してテキストで要約してくれます。忙しい時の情報収集に活用できるでしょう。
テクニック2:ExcelやPDFを読み込ませて分析・ドラフト作成
Copilotの入力欄にあるクリップマーク(または+ボタン)から、Excelファイルなどをアップロードできます。
使用例:
・重機の保有リスト(Excel)をアップロード
・指示:「このリストを分析して、老朽化している機械を特定し、入れ替え提案のための稟議書のドラフトを作成してください」
この指示により、Excelの内容を読み取り、「◯◯という機械が10年以上経過しており…」といった根拠に基づいた稟議書案を短時間で作成してくれます。
テクニック3:画面を見ながら「音声」で相談
スマホアプリ版やPCのマイクを使えば、音声での対話も可能です。 例えば、難解な「助成金の公募要領(PDF)」を画面に開きながら、 「この助成金は、小規模事業者でも申請できますか?」 と話しかけると、AIがPDFを読み込み、音声で回答してくれます。まるで専門家に相談しているかのようなサポートを受けられます。
Copilotを使いこなすための3つの心構え
難しいテンプレートや複雑な指示文は不要です。以下の3つのポイントを意識するだけで、Copilotの活用度が大きく変わります。
1. 完璧な指示は不要。まず「ざっくり」投げてみる
「どう聞けばいいかわからない」と悩んで手が止まっていませんか?
Copilotは対話型のツールです。最初から完璧な指示文を作る必要はありません。 「◯◯について教えて」「△△を整理したいんだけど」といった曖昧な投げかけでOKです。
会話を重ねる中で、自分が本当に知りたいことや、どんな形で情報が欲しいのかが見えてきます。キャッチボールをしながら、一緒に答えを作り上げていく感覚で使ってみてください。
例:
最初:「新規事業のアイデアが欲しい」
↓ Copilotが返答
続き:「もっと具体的に、予算500万円以内で始められるものは?」
↓ さらに返答
続き:「その中で、既存の顧客基盤を活かせるものに絞って」
このように段階的に絞り込むことで、より実践的な提案が得られます。
2. 何度でも「ダメ出し」して、精度を上げる
Copilotの最初の回答が「なんか違う」と感じたら、遠慮なくダメ出ししましょう。
「もっと具体的に」「この部分を詳しく」「トーンが固すぎるので、もう少しやわらかく」といった注文を重ねることで、あなたの求める内容に近づいていきます。
このダメ出しこそが、あなたの経験や専門知識を活かす場面です。AIには「業界の常識」「あなたの会社の文化」「顧客の温度感」はわかりません。その部分を人間が補完することで、実務で使える成果物になります。
例:
1回目:「提案書のドラフトを作って」
→ 出てきた内容を確認
2回目:「この部分、専門用語が多すぎて伝わらない。もっと噛み砕いて」
3回目:「冒頭に、相手企業が抱える課題を明示してから解決策を書いて」
3. 「ゼロから作る苦しみ」から解放される
企画書、メール文、報告書…。「白紙の状態から書き始める」という最も苦しい作業をCopilotに任せましょう。
人間がやるべきは、「最終チェック」と「品質の担保」です。
・事実関係は正しいか?
・自社の方針と矛盾していないか?
・相手に失礼な表現はないか?
このような判断は人間にしかできません。逆に言えば、ドラフト作成という時間のかかる作業はAIに任せ、人間は「判断」に集中することで、生産性が飛躍的に向上します。
「AIに丸投げ」ではなく、「AIと人間の役割分担」を意識することが、効果的な活用の鍵です。
まとめ:まずは「Edge」を開くことから始めてみましょう
「生成AI=ChatGPT」というイメージが強いですが、Windowsユーザーにとって最も身近で、かつ有用なツールの一つがMicrosoft Copilotである可能性があります。
・Edgeを開くだけで使える
・見ている画面をそのまま相談できる
・無料版でも多くの機能を利用可能
まずは今日から、調べ物をする際にGoogle検索だけでなく、EdgeのサイドバーにあるCopilotに「これはどういう意味ですか?」と聞いてみてください。その手軽さを実感いただけるでしょう。
ただし、繰り返しになりますが、無料版では「機密情報」は入力しないようご注意ください。 「機密情報を扱いたい」「よりセキュアに社内データを活用したい」という場合は、有料版の活用をご検討ください。
ビジネスの世界ではツールを「知っているか・知らないか」で生産性に差が生まれることがあります。まずは身近なCopilotから、AI活用の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
▶なお弊社では、「生成AI活用」について30分無料オンライン相談を承っています。ちょっとした確認・相談でも大丈夫ですので、組織全体での効果的な導入方法や具体的な運用方法についてお気軽にご相談ください。
・ChatGPTはOpenAIの登録商標です。
・Gemini、Chrome、YouTubeはGoogle LLCの登録商標です。
・Microsoft Copilot、Microsoft Windows11、Microsoft Edge、Microsoft Excel、Microsoft Entra IDは、Microsoft Corporationの登録商標です。
上記、商標登録企業によって承認または提携されているものではありません。

