コラム

営業における仮説設計 〜“当てずっぽう”から“狙い撃ち”へ〜

2025.06.06

こんにちは!営業部プランナーの立石です。

皆さんにはこんな悩みはないですか?
「お客様との商談が、いつも手応えのない雑談で終わってしまう…」
「課題が曖昧なまま提案して、結局“検討します”で終わってしまう…」
「上司や先輩のように、“刺さる提案”が組み立てられない…」

今回は営業において重要な仮説の立て方について紹介します。お客様に商談に行くとき仮説を事前に持っていくことが重要です。
しかし、ただの“予想”や“思いつき”では意味がありません。仮説とは、お客様の課題やニーズ、そしてその先にある意思決定を“先回りして掴みにいく”ための設計図です。

今回はそんな仮説設計においてポイントとなる5つをご紹介いたします!

お客様のビジネスモデルから考える

まず、考えるべきはお客様の“ビジネスそのもの”の理解です。
提供している商品・サービスだけでなく、「どうやって収益を上げているのか」「誰に価値を届けているのか」「コスト構造はどうなっているか」といったビジネスモデルの全体像から逆算して、必要な提案を導き出すのです。

たとえば、サブスクリプションのような毎月サービスを提供して売上を積み上げていくような会社では、「どうやってお客様に長く使い続けてもらうか」「もっとたくさん買ってもらうにはどうするか」といったことが最大の関心ごとです。そういった企業に対して、「作業時間を減らせますよ」といった効率化の話をしても、相手にとっては今すぐ解決したいテーマではないかもしれません。
本当に響く提案をするには、その会社が“何に成功を感じるのか”を正しく捉えることが重要です。

ビジネスモデルの理解は、仮説の精度を高めるための土台になります。

商談するお客様の視点になって考える

仮説設計でありがちな落とし穴は、「企業としての課題」と「目の前の担当者の関心事」を混同することです。
商談相手が経営層なのか、部門責任者なのか、現場の実務担当者なのかで、響く提案は大きく異なります。
経営者には「売上」「利益」「将来の成長性」が刺さり、現場担当には「手間」「時間」「使いやすさ」が刺さるようにそれぞれの立場で見える課題は違います。
仮説設計では、相手がその立場で何を背負っていて、何に価値を置いているのかをリアルに想像する力が求められます。

相手の視点から課題を想定することで、説得力のある仮説に近づいていきます。

上流から考える

営業現場では「お客様が◯◯に困っている」と聞くと、すぐにそれを解決する提案を考えたくなります。しかし、その課題は本当に“根っこ”なのか。もしかしたら、もっと上流に本質的な原因があるかもしれません。
たとえば、「SNS運用の成果が上がらない」という課題の裏には、そもそもマーケティング戦略の立案がなされていないや、ターゲット設定の不明確さがある可能性もあります。
仮説設計とは「目の前の症状」をそのまま扱うのではなく、「それが本当の課題なのか」に踏み込むことです。

お客様の理想像と現状から逆算して考える

お客様は、今の課題だけを解決したいわけではありません。
本当は「こうなっていたい」「将来はこうありたい」という理想像を持っています。それがたとえ言語化されていなくても、営業はそこを“察知しにいく”必要があります。
仮説設計のフレームとして効果的なのが、「理想像」-「現状」=「課題」です。
たとえば、「従業員が主体的に動く組織にしたい」という理想像があるのに、現状は「指示待ち体質で停滞している」という状態であれば、求められるのは業務フローの改善ではなく、マインドセットや評価制度の改革かもしれません。
理想を知り、現状を知り、そこから逆算する。この視点が、仮説の深みを生み出します。

「なぜ」を繰り返して考える

どんなに優れた仮説も、「それはなぜ?」という問いを何度も重ねることで、より本質に近づけます。いわゆるwhyを繰り返す「5 Whys」思考です。

例:
「業務効率を上げたい」→なぜ?
「残業が多い」→なぜ?
「日報や資料作成に時間がかかる」→なぜ?
「手作業が多い」→なぜ?
「社内にツール導入の判断基準がない」

ここまで掘り下げて初めて、「提案すべきものは業務改善ツールではなく、意思決定プロセスの整備である」と見えてくることもあります。仮説設計において、「表面の課題」を信じ切らないことはとても重要です。一見遠回りに見える“なぜ”の繰り返しが、最短で本質にたどり着くための道になるのです。

まとめ:仮説の深度が、営業の質を決める。

仮説設計とは、情報を集めて“当てにいく”作業ではありません。
それは、お客様の世界を自分の視点に置き換えて想像し、深く入り込み、行動と提案に変えていく“知的な共感行為”です。

良い仮説は、相手の心を動かし、信頼を呼び、お客様の課題解決につながります。
表面的なニーズに留まらず、「なぜその課題が起きているのか」「本当に解決すべきことは何か」を追求し続ける。
この思考の深さが、営業の質を変え、提案の本質的な価値を引き上げます。


私たちグローカルマーケティングは、営業力を向上させるご支援、研修も行っております。

「売上を伸ばしたい」「商談の質を上げたい」――そんなお客様の理想の裏にある“解決したい課題”を、一緒に言語化し、お客様との商談1つ1つを実のあるものにしませんか?


▶この記事を見てグローカルマーケティングに興味を持っていただいた方はぜひお気軽にご相談ください。

※アイキャッチ画像はCanvaで生成した画像を使用しております。

私が担当しました!
立石 真琴

営業部 プランナー

【貴社の課題に共に向き合い、新しい発想であなたのビジネスを後押しします!】 プランナーとしてお客様の課題を明確にします。お客様から信頼していただける課題解決のパートナーを目指しています!

マーケティング・人財採用育成・デジタル業務効率化に関するお問い合わせはこちら

まずはお気軽にご相談ください。

  • 売上を伸ばすために何から手を付ければいいか分からない。
  • 人手不足で困っている、募集しても集まらない。
  • せっかく採用できても定着しない。
  • 社員の育成に力を入れたい。
  • デジタルを活用した業務効率化を図りたい。
  • 生成AIを活用したいけど何から取り組めばいいか分からない。