コラム

社員の主体性を上げる!中小企業のためのインナーブランディングとは?

2025.07.18

こんにちは!コンサルタントの堀田タケルです。

突然ですが、こんなお悩みはありませんか?

「社員のモチベーションが上がらない…」
「理念を掲げているのに、現場にまったく浸透していない」
「時間とコストをかけて採用した人財が、すぐに辞めてしまう」

これらは、多くの経営者や人事担当者が抱える深刻な悩みではないでしょうか。
組織の成長を阻むこれらの課題の根底には、実は共通の原因が潜んでいることが少なくありません。

その原因を解決する鍵こそが、「インナーブランディング」です。

インナーブランディングと聞くと、一部の大企業が行う特別な活動だと思われるかもしれません。
しかし、実際には経営資源が限られる中小企業にこそ、組織を根幹から強くし、持続的な成長を実現するために不可欠な経営戦略なのです。

この記事では、インナーブランディングがなぜ中小企業に必要なのか、そして明日からでも実践できることを目標として具体的な施策を5つのステップで分かりやすく解説します。

▼ 目次はコチラ ※クリックすると該当の箇所までスクロールします。  

なぜ今、中小企業に「インナーブランディング」が必要なのか?

インナーブランディングとは、企業の理念やビジョン、価値観を従業員に深く理解・共感してもらい、日々の行動に繋げてもらうための活動を指します。
インターナルブランディングとも呼ばれますが、ほぼ同義なのでここではインナーブランディングと呼びます。

インナーブランディングとはいわば、言葉の通り「社内に向けたブランディング活動」です。

従業員一人ひとりが自社の「ファン」となり、ブランドの体現者となることで、企業には以下のような大きなメリットがもたらされます。

従業員エンゲージメントの向上
会社と自分の仕事に誇りを持ち、主体的に業務に取り組むようになります。

離職率の低下と人財定着定着
「この会社で働き続けたい」という愛着が生まれ、組織の安定に繋がります。

✓ 顧客満足度の向上
従業員のポジティブな言動がサービス品質を高め、顧客に高品質なブランド体験を提供します。

✓ 採用力の強化
従業員が自社の魅力を語る「生きた広告塔」となり、採用市場での競争力を高めます。

✓ 生産性・業績向上
社員が一丸となって同じ目標に向かうことで、組織のパフォーマンスが最大化され、最終的に企業の利益へと繋がります。

特に経営層と従業員の距離が近い中小企業は、トップの想いが伝わりやすく、本来インナーブランディングの効果を最大限に発揮できるポテンシャルを秘めていると考えます。

【3ステップで実践】中小企業のためのインナーブランディング施策

では、具体的に何から始めれば良いのでしょうか。
ここでは、インナーブランディングを体系的に進めるための5つのステップと、それぞれの段階で効果的な施策をご紹介します。

ステップ1:【知る・理解する】会社の想いを「自分ごと」にする

全ての土台となるのが、会社の理念やビジョンを従業員一人ひとりが「自分ごと」として捉えることです。

施策例①:経営層からのストーリーテリング
→朝礼や社内報、動画などを通じて、経営者が自らの言葉で創業の想いや事業の目的、未来の展望等を発信する機会を作ります。単なる方針説明ではなく、背景にある「ストーリー」を伝えることが共感を呼びます。

施策例②:自社の歴史や強みを学ぶ研修
→会社の沿革や、自社製品・サービスがお客様に選ばれる理由を学ぶ機会を設けます。自社への理解が深まることで、誇りと愛着が育まれます。

ステップ2:【共感する】対話を通じて一体感を育む

理念への理解が芽生えたら、次はその想いを組織全体に広げ、共感を育むコミュニケーションを活性化させます。

施策例③:行動指針(クレド)の策定
→「理念を実現するために、私たちは日々何をすべきか?」をテーマに、従業員参加型のワークショップなどで具体的な行動指針(クレド)を策定します。全員で作り上げた言葉は、日々の行動の拠り所となります。

施策例④:1on1ミーティングの定期実施
→上司と部下が業務の話だけでなく、キャリアや会社のビジョンについて対話する時間を設けることで、相互理解と信頼関係を深めます。

1on1については、やりたいけどなかなか時間がない。そもそも経営者側、管理職側ではなかなか話してくれない。などといった課題感をお持ちの企業様もいらっしゃるかもしれません。
当社では「1on1代行」サービスも行っておりますので、気になる方はぜひ以下の内容も参考にされてみてください。


▼参考:支援事例「1on1代行(社員ヒアリング)」 社員の不安、職場の課題が明らかになる1on1代行(社員ヒアリング)

▼参考:コラム「1on1代行(社員ヒアリング) 」「社員が何を考えているのかわからない」状況から卒業!1on1の外部委託もアリな理由


ステップ3:【行動する】理念に沿った行動を称賛し、文化を創る

理念やクレドが「絵に描いた餅」で終わらないよう、実際の行動を評価し、称賛する文化を醸成します。

施策例⑤:理念浸透を目的とした表彰制度
→売上などの数字だけでなく、「会社の理念を最も体現した社員」を表彰します。どのような行動が評価されるのかを具体的に示すことで、他の従業員の行動を促します。

施策例⑥:「ありがとうカード」など感謝を伝え合う仕組み
→理念に沿った行動をした仲間へ、感謝の気持ちをカードなどで送り合う制度です。ポジティブな行動が可視化され、組織全体に浸透していきます。

最終ステップ:【習慣化する】日常的にブランドを意識できる環境づくり

オフィス環境や制度を通じて、従業員が日常的にブランドを意識できる仕組みを整えます。

施策例⑦:ブランドを体現するオフィス環境・福利厚生
→コーポレートカラーや理念などをオフィスデザインに取り入れたり、「社員を大切にする」という価値観を働きやすい勤務制度やユニークな福利厚生として具現化したりします。

やってみたけど…インナーブランディングが失敗する「3つの壁」

ここまで具体的な施策をご紹介しましたが、いざ自社だけで進めようとすると、多くの企業が次のような壁に直面します。

壁①:何から手をつければ良いかわからない

施策は多岐にわたるため、自社の課題に合った優先順位がつけられず、迷走してしまいがちです。
まずは客観的な「現状分析」を行い、自社の現在地を正確に把握する必要があります。

壁②:施策が単発のイベントで終わってしまう

インナーブランディングは、一過性のイベントでは効果がありません。
長期的な視点で計画し、継続的に改善していくための仕組みと、それを推進する伴走者の存在が成功の鍵を握ります。

壁③:経営層の想いと現場の意識にギャップがある

トップの想いが強い一方で、現場は「また何か始まった…」と冷ややかである、などというケースは少なくありません。
経営と現場、両方の視点を理解し、両者の橋渡し役となる第三者の視点が、スムーズな浸透を後押しします。

これら3つの壁を乗り越え、施策の効果を最大化するためには、当社のような外部の会社や外部パートナーの力を借りることも有効な選択肢の一つです。
ご不安やご不明点があれば、無料相談も承っておりますので、お気軽にご連絡ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

インナーブランディングは、単なる社内イベントや福利厚生ではありません。
企業の根幹である「人」を起点に組織課題を解決し、従業員一人ひとりの主体性が上がることでそれが人財定着につながり、最終的には企業の持続的な成長へとつながるのです。

今回ご紹介したステップや施策が、貴社の取り組みのヒントになれば幸いです。

しかし、もしこれを読んでいるあなたが、

「自社に本当に合った進め方がわからない」
「客観的な視点で、私たちの課題を分析してほしい」
「一過性で終わらない、本質的な組織変革を実現したい」

このようなお考えをお持ちであれば、ぜひ一度、当社までお気軽にご相談ください。

グローカルマーケティングでは、企業の”らしさ”を最大限に活かしたオーダーメイドのインナーブランディング支援を行っております。
組織の現状分析から、従業員を巻き込むワークショップ、施策の実行、効果測定まで一貫した伴走支援を行います。

まずは、私たちがどのようなご支援をできるのか、以下のサービス詳細ページでぜひご確認ください。


▼サービス案内:インナーブランディング推進支援 企業ブランディングは社内から。組織を内側から強くします。


最後までお読みいただきありがとうございました!

私が担当しました!
堀田 タケル

コンサルティング部 シニアコンサルタント

あらゆる経営課題をデジタルと人財の力で解決に導きます。 課題解決のための伴走型コンサルティング、経営者向けのセミナーや従業員の人財育成を目的とした社内研修の講師対応、また各種ディレクション業務を担当し…

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