事例

「私たちの未来を醸すDX研修」 ~意識改革からはじめる現場主導の業務改善~

2025.06.20
企業名
麒麟山酒造株式会社様
業種
酒造業
ホームページ
https://kirinzan.co.jp/

新潟県阿賀町に蔵を構え、地域の米と水、そして人にこだわった伝統的な酒造りを続ける麒麟山酒造株式会社様。「辛口の麒麟山」として多くの日本酒ファンに愛される一方、業界全体が直面する人材確保や市場の変化といった課題に対し、新たな一歩を踏み出す必要性を感じておられました。
弊社は今回、デジタルツールの導入ありきではなく、従業員一人ひとりの「意識改革」を起点とするDX研修をご支援。現場の皆様が主役となり、日々の業務に潜む「改善の芽」を見つけ、自ら未来を醸していくための文化づくりが始まりました。

ご依頼いただいた背景

酒造業界は今、大きな変化の渦中にあります。消費者ニーズは多様化し、国内市場が縮小する一方で海外への輸出は拡大。そして、最も深刻な課題の一つが、杜氏や蔵人といった専門技術者の確保難と、それに伴う伝統技術の継承問題です。
麒麟山酒造様も例外ではなく、こうした外部環境の変化に対応し、未来へ向けて伝統の味を守り育てていくためには、これまでのやり方を見直す必要があると感じておられました。「変えないことが、最大のリスクになる」という危機感の中、単なるデジタル化ではなく、全社的な意識改革を促し、現場から主体的な改善活動が生まれる組織風土を醸成したい、とのご相談をいただきました。

ご支援内容

ご利用いただいたサービス

お客様の課題を受け、弊社からは「意識改革」と「実践」を両立させる体験型のDX研修をご提案しました。

支援項目名:DX研修「私たちの未来を醸すDX ~日々の業務から見つける改善の芽~」

ご支援内容の詳細

意識改革を促す、酒造業に特化したインプット
研修の冒頭では、なぜ今DXが必要なのかを、酒造業界が直面する「消費者ニーズの多様化」「人材確保難」といったリアルな課題と結びつけて解説。その上で、業務改善に役立つ以下の実践的なフレームワークをご紹介し、「デジタルはあくまで変革のための手段である」という共通認識を形成しました。

  • ①DXの3段階: アナログ情報のデータ化から始め、業務プロセス効率化、そしてビジネスモデルの変革へと至る段階的なステップを解説しました。
  • ②ECRS(イクルス): 「排除」「結合」「交換」「簡素化」という4つの視点で業務を見直す改善手法について説明しました。
  • ③ムリ・ムダ・ムラの洗い出し: 「手書き作業の二重入力」や「昔からの慣例」といった、現場に潜む非効率な作業を可視化する視点を共有しました。

従業員参加型のボトムアップアプローチ
研修の核心は、参加者の皆様が主体となるグループワークです。普段の業務から離れ、自社の課題とじっくり向き合う時間を通して、当事者意識を高めていきました。

  1. 現状の可視化: まずは担当業務のプロセスを付箋を用いてフローチャートに書き出し、「なぜこの作業をしているのか?」を問い直すところからスタートしました。
  2. ②問題箇所の特定: 可視化した業務の中から、「ムリ・ムダ・ムラ」を洗い出し、付箋を使って全員で共有。多くの課題が明らかになりました。
  3. ③真の原因の深掘り: 特に重要な問題について、「なぜ?」を5回繰り返す「なぜなぜ分析」を実施。表面的な問題の奥にある「真の原因」を突き止めました。
  4. ④解決策のアイデア出し: 見つかった真の原因に対し、「明日から自分たちで取り組める小さな一歩」をテーマに、具体的な改善アイデアを全員で出し合いました。

この一連のワークを通して、受け身で学ぶのではなく、自ら考え、議論し、改善の第一歩を見つけ出すという主体性の発揮を目指して実施致しました。

成果

今回の研修を通じて、具体的な数値成果以上に価値のある、組織にとって大きな一歩となる成果が生まれました。

  • 従業員の皆様に「DXは自分ごと」という当事者意識が芽生えた
  • 現場目線での具体的な業務改善アイデアが多数創出された
  • 「なぜ?」と問いかける文化、ボトムアップで改善を進める組織風土の土台ができた
  • 「明日からできること」として、具体的な一歩目が明確になった

何より、参加者の皆様が自社の未来を自分たちの手で創っていくという、ポジティブなエネルギーに満ち溢れていたことが最大の成果と言えます。

最後に

今回は、麒麟山酒造株式会社様のDX研修支援事例をご紹介しました。今回の事例のポイントは、「DXの成否を分けるのは、高度なデジタルツールではなく、現場一人ひとりの意識改革である」という点です。

伝統を重んじる産業だからこそ、これまでのやり方を見直すことには勇気がいります。しかし、麒麟山酒造様のように、従業員の皆様が主体となって自社の課題と向き合い、「改善の芽」を見つけ出すことから始めるアプローチは、着実で持続可能な変革へと繋がります。

この度の貴重な機会をいただきました麒麟山酒造株式会社様に、心より感謝申し上げます。弊社では、業界や企業の特性に合わせ、現場の皆様に寄り添ったDX推進のご支援を行っています。「何から手をつければ良いかわからない」「従業員の意識を変えたい」といった課題をお持ちの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

麒麟山酒造の皆様、ありがとうございました!

私が担当しました!
武田 知浩

コンサルティング部 トップコンサルタント

中小企業の成長エンジンとなる、デジタル活用型経営パートナー。 私は中小企業の経営者様に寄り添い、経営戦略の立案からWebマーケティング、業務効率化まで一貫してサポートするコンサルタントです。「売上を伸…

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