事例

DtoCアウトドア商品のマーケティング戦略作成支援

2023.02.16
企業名
株式会社ヨウホク
業種
金属加工業
ホームページ
https://youhoku.jp/

≪ご依頼頂いた背景・解決したい課題≫

BtoB向け金属加工業として成長してきた中、コロナ禍を機に、BtoC向けアウトドア商品の製造、販売を開始されました。クラウドファンディングへの挑戦、Amazonでの販売取り組みなど自社内で様々チャレンジをされていました。

しかしながら、BtoC領域、さらにはネット販売領域には知見がないため、手探りで進んでいる状態で、今やっていることが正しいのかも分からないし、どういう方向に進めばいいのかも分からない状態でした。さらに、自分たちのもてる技術で、自分たちの作りたいものを作るという観点で商品づくりを進めていたので商品づくりに対しても不安をお持ちでした。

今後も、アウトドア商品の製造販売を強化していきたいので、改めてマーケティング戦略の整理・作成、ネット販売強化に向けた全体ロードマップの構築と、具体的な取組施策の明確を図りたいとのご要望を頂きました。

■お客様紹介

ご依頼を頂きました株式会社ヨウホク様は、長野県駒ヶ根市で昭和26年に創業し、プレス製品を金型製作から加工・組立まで一貫して行っている会社様です。また長年のプレス加工技術で培った知見を活かし、パイプ製品の鋼製家具、および精密板金製品を手掛けています。

≪ご支援内容≫

マーケティング戦略作成支援(個別対応タイプ)サービスをご利用いただき、90分×6回のオンライン会議形式で、マーケティング戦略を作成していきました。

≪基本的なご支援の流れ≫

今回のご支援の大きな目的は、以下2つでした。

自社ブランドを確立する。

自社ブランドの年間売上目標達成に向け、売れる仕組みづくりを構築する。

上記目的を達成させるために、以下のような流れで、一つ一つの項目についてじっくり討議をしながら進めていきました。

<STEP1>マーケティング=「売れる仕組みづくり」について理解する
<STEP2> 喜ばせたいお客様(ペルソナ)を考える
<STEP3> 商品の提供価値を考える
<STEP4> 競合他社、商品との差別化を考える
<STEP5> 実施施策を決める

特にポイントは、最初にマーケティング戦略の全体像(下図参照)をお示しし、その上で各ステップの討議を行うようにした点です。

≪主な取り組み内容≫

①喜ばせたいお客様像の明確化

アウトドア商品の製造販売を既に進められていましたが、「誰に向けて製造しているのか」「ブランドコンセプトは何か」というものがふんわりしている状態でした。

2022年時点でアウトドア市場は多くの新規参入者により過熱気味の状態でした。そのため、単に商品を作るだけでは、すでにある商品に埋もれてしまう、発見してもらえない可能性が高かったため、「コンセプトづくり」からじっくり取り組むことにしました。

・どんなお客様に喜んでいただきたいのか。

・どんな「ニーズ」を持っているか。

・どんな「悩み・不満」を持っているか。

アウトドア好き、キャンプ好き、というセグメントの中から、自社は特にどんな人に狙いを定め、喜んでもらいたいかを明確化するための討議を繰り返しました。

②自社提供価値の明確化

次に自社が提供できる価値についての明確化を図りました。

ヨウホク様とヨウホク様商品の「価値」を支える、「強み・特長」について洗い出し整理していきました。

一例(抽象化しています)ですが、「金属加工70年の歴史と実績を有している」「特殊形状加工装置を有している」「○○な資格を持った職人が在籍」など、自社に関する強みや特長、ウリとなる部分をとことん洗い出していきました。

このままでは、単なる事実であり、お客様にとって価値を感じてもらえるものではありません。自社の強みや特長を、お客様に価値があると感じてもらえるように、表現を変えて伝えることが重要です。

一例(抽象化しています)ですが、「金属加工の扱いのプロなので、熱伝導に適した厚み大きさの形状加工ができるので、初心者の方でも非常に美味しいお肉が焼ける鉄板です!」という風にお客様にとっての「イイコト」が実感できるように伝えるようにします。

どうしたらお客様に「価値がある=ほしい!」と思ってもらえるようにするか、討議を繰り返しました。

「価値がある」よく聞く言葉ですが、ものすごく奥が深い言葉です。自社が「○○な人を喜ばせたい!」と思っても、その人を喜ばせるだけの価値を提供できないと片思いに終わってしまいます。価値って何なのでしょうか?

下図のように「自社が喜ばせたいと思うお客様」と「そのお客様に提供するプロダクト(商品・サービス)」のマッチングをしっかり考え抜くことが、「価値提供」を検討する際に非常に大切です。

非常に大切なこととして、プロダクト自体には価値は存在しません。価値というのはあくまでもお客様にとっての主観的なものなので、何を価値に感じるかは人によって異なります。だからこそ、お客様のことから考えはじめ、その上で自社の提供する商品・サービスの事を考えます。ここは行ったり来たりしながら考えていくことが重要ですね。

③競合他社との差別化ポイントの確認

お客様と自社の関係だけを考えるのでは不十分です。ネット上には多くの競合他社が存在するので、そういった先行者との「違い」を表現することも必要です。アウトドア商品は今や競争激しいレッドオーシャン市場なので、特に重要な視点です。

差別化ポイントを明確にするために、下図(サンプルです)のようなKBFの競合比較表を作り、検討しました。要はお客様はその商品・サービスを購入する際にどのようなことを重視するかという「判断軸」を洗い出し、その判断軸に対して自社と競合の優劣を検討しました。

1つの判断軸だけでは弱いので、2つの軸で考えました。下記図はサンプルですが、競合他社に勝てそうな部分を何とか2つ見つけ、そこを最大限に訴求することで、先行者との違いを理解してもらい、お客様に選んでもらえることを目指しました。

④既存商品と新規開発商品の検討

ここまで考えてきた内容を基に、すでに販売している既存商品に関してPRする内容のブラッシュアップを討議したり、これから企画開発する新規商品に関してここまで固めてきたコンセプトをブラさずに体現できるように討議をしました。

まとめますと、今回90分×6回のマーケティング戦略作成支援を通して、下記内容の討議を実施しました。

・マーケティング戦略の全体像理解
・一番大事なお客様理解
・お客様に価値を感じてもらえるように自社商品・サービス理解
・競合他社ではなく自社商品・サービスを選んでもらうための差別化対策

しかしこれだけではあくまでも「戦略作成」なので、具体的に何をするかという点ではあいまいな状態です。その為、考えて作成した戦略をしっかりと実践するために、さらに具体的な観点で考えることも必要です。

マーケティングの世界ではものすごく基本的な4Pに基づく考え方ですね。(※顧客視点の4Cという考え方もありますが、ここに来るまで既にしっかりと顧客視点で検討しているので、あえて4Pという表現を使います。)

何よりも大事なのは「プロダクト(商品・サービス)」です。そもそもここに価値を感じてもらえる要素がないと、正直厳しいです。ですので場合によってはリニューアル、新商品開発ということも必要です。

今回は既存商品の中からアイテムの絞り込みを行い、また並行して新商品開発を行うことにしました。

そして作った後、それをしっかりお客様に買ってもらうことが大事なので、「いくらで販売するか」「どこで販売するか」「どうやって知ってもらうか」ということも一つ一つ丁寧に行っていくように全体像を描きました。

この6回のご支援では触れませんでしたが、今後は「Amazon販売」を通してネット販売強化に取り組んでいきます。ここからは具体的にどうやって取り組んでいくかという「HOW」の話が中心になりますが、ここまで討議して固めたコンセプトに基づき、ぶれずにHOWの実践に取り組んでいく予定です。

このように弊社では、「マーケティング戦略作成」をスタート地点にご支援を行わせて頂き、その後具体的な施策実施に向けたご支援を伴走的にさせて頂くことが多いです。

・やりたいことがあるけど、何から実施すればいいか分からない
・色々やってみてはいるけれど、正しいものか自信がない
・自分一人、会社の中だけでは、なかなかアイディアが出てこない
・専門家の目線から状況整理をしながらアドバイスを求めたい

このようにお考えの方はまずは無料相談をご活用ください。また当サービス内容をご説明したページもぜひご覧ください。

ヨウホクの皆様、この度はありがとうございました!今回のご支援は始まりの一歩ですので、今後ともよろしくお願いします!

私が担当しました!
武田 知浩

コンサルティング部 シニアコンサルタント

やるべきことを決め、決めたことをやり切る!貴社の『プロジェクトマネージャー』として伴走支援します! 私は、中小企業・小規模事業者様に適した「デジタルマーケティング戦略の構築」と「施策実行のサポート」が…

石田 航

群馬事務所所長/東北エリア兼任 営業部副部長

課題解決のパートナーとしてお客様の課題を明確にし、その解決方法をご提案します!

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