コンサルティング部 シニアコンサルタント
こんにちは!コンサルタントの山倉です。
こちらの記事では、SWOT分析を考えるとして
前回のブログでSWOT分析に触れましたので
よりフカボリして活用のポイントをお伝えいたします。
前回のブログはこちら
https://glocal-marketing.jp/column/20210415/
今回は、事業計画を考えるための自社分析の手法として
・SWOT分析って何?
・SWOT分析するメリットは何?
・SWOT分析をどのように活用したら良いの?
このようなお悩みに向けた書いた記事です。
SWOT分析はよく耳にするけど、具体的にどのように活用したらよいかわからないなど自社分析をお考えの際にご参考いただけますと幸いです。
今回は、私が事業計画の策定支援を行う中でSWOT分析の使用方法をお伝えしています。
自社分析、事業計画策定の少しでもヒントとなれば幸いでございます。
なお弊社では、「事業計画作成」について30分無料オンライン相談を承っています。ちょっとした事の確認・相談でも大丈夫ですので、こちらからお気軽にご相談ください。
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SWOT分析とは
前回のブログでも触れましたが、SWOT分析は「事業環境分析の鉄板フレームワーク」です。
強み:Strong(ストロング)
弱み:Weakness(ウィークネス)
機会:Opportunity(オポチュニティ)
脅威:Threat(スレット)
4つの視点から現状分析を行っていくフレームワークです。
強み、弱みは内部環境(自社のこと)から考えていき、機会、脅威は外部環境(世の中の変化や競合の取組み)から考えていきます。この4つのマスを整理することで自社分析ができるという非常にシンプルで分かりやすいフレームワークとなります。前回もお伝えしましたがわかりやすいことはとても大事です。社内、社外で共通認識を持つために役立ちます。また、これだけわかりやすいフレームワークは解くべき問に答え、本質を捉えていると感じています。
SWOT分析のメリット
SWOT分析には下記3つのメリットがあります。
(1)社内、社外の共通認識を持つことができる
とてもシンプルでわかりやすいフレームワークであるからこそ共通認識を持つうえで非常に役に立ちます。社内であれば、戦略を考える際の共通認識に役立ちますし、社外であれば自社の取組を伝える際に、また営業活動の資料としてもわかりやすく伝えることができますね。「当社のサービスの強みは○○ですので、市場の〇〇の機会に活かすことができます」などです。
(2)補助金申請に役立つ
今年度、コロナを乗り越えるための挑戦を応援する補助金として「事業再構築補助金」の公募がスタートしました。事業再構築補助金の公募要項の中にも、記載内容として「強み・弱み、機会・脅威」が示されております。
まさに「SWOT分析をして具体的取組を教えてください。」ということですね。その他の補助金に関しても事業の内容を説明する際に、このSWOT分析を軸に記載することが多くあります。わかりやすい、多くの方が知っているフレームであることで、補助金であれば審査員の方へもわかりやすく伝えることができます。
(3)他のフレームワークとの相性が良い
SWOT分析は他のフレームワークと連携させることでより効果を発揮することができます。
例えば、マーケティングプロセスを考える際は
“3C(自社、市場、競合)分析”
➡“SWOT分析”
➡“STP(セグメント、ターゲティング、ポジショニング)”
➡4P(製品、価格、流通、プロモーション)(4C※顧客視点)
➡実行
というプロセスの中で環境分析において重要な役割を担います。
また、強み、弱みなど各要素を深堀して考える際も他のフレームワークと相性が良いです。
このような特徴を踏まえ、最後にどのようにSWOT分析を活用して戦略を考えるかをお伝えしていきます。
SWOT分析から戦略を考える
SWOT分析の活用方法として3つのステップでお伝えしていきます。
(1)他のフレームワークと連携してSWOT分析をフカボリする
S強み、W弱み、O機会、T脅威をそれぞれ考えていくことも出来るのですが、他のフレームワークを参考とすることでフカボリして分析を深めることが可能です。
下記に参考となるフレームをご紹介します。
■3C分析
「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の頭文字をとって3C分析と呼びます。
・顧客の人口、市場規模は?顧客のニーズは?購入までのプロセス、ライフサイクルは?
・競合の数、市場シェアは?競合の戦略は?競合の経営資源、強み、弱みは何か?
・自社の経営資源、強み、弱みは?自社の業績、市場シェアは?お客様の評価は?
この3C分析を行うことで市場のニーズを捉え、競合に負けない自社独自の強みの分析に役立ちますし、成功のカギ(KSF)の発見にも役に立ちます。
■コア・コンピタンス分析
コア・コンピタンスとは「顧客に価値を提供できる中核的な能力」のことを言います。
分析のポイントは、
・顧客に対して価値をもたらす能力
・競合他社が提供できない、真似できない
・複数の市場や製品に活かすことができる
3C分析とつながる部分もありますが、上記を客観的に、具体的に、時には数値化して分析できると良いです。例えば商品開発の能力であれば、「分析力」「企画、提案力」「開発スピード」といったイメージとなります。独りよがりの能力とならないように「顧客に価値(メリット)を提供できる」を軸に考えることが大切です。
■PEST分析
Politics(政治的要因)…緊急事態宣言、働き方関連法、消費税総額表示など
Economics(経済的要因)…コロナによる経済変化、人財の流動化、中食市場の拡大など
Society(社会的要因)…外出自粛、多様な働き方の推進、SDGsなど
Technology(技術的要因)…IT技術の進化、オンライン会議、ECサイトの充実など
ポイントは、上記によりどのような「機会」「脅威」が生まれるのか?自社にもたらす変化などを予測することが大切です。
■マクロとミクロ
PEST分析はまさにマクロ環境分析の手法になります。
分析する際にこの「マクロ(大きな観点)」と「ミクロ(小さな観点)」の2軸で分析していくことも大切です。
ミクロ環境分析は、仕入先や顧客の動向、ニーズ「こんな取り組みをしている」「こんな要望をいただいた」などから分析していきます。
■5F(5つの競争要因)
ミクロ環境分析の代表的なフレームワークとして、5F(フォース)分析があります。
5Fは5つの圧力の強・弱、競争要因から分析していきます。
①新規参入者の脅威…参入が容易であればライバルが増え、収益悪化も
②代替品の脅威…どんなに良い商品でも代替品があることで売れなくなるかも
③仕入先との交渉力…人気商品や取扱店が少ないと仕入れコストが高くなることも
④顧客との交渉力…供給過多や人気がなければ安い価格での取引に、、、
⑤同業他社間の競争…価格、生産、広告など競争が激化することで収益減少も
このような5つの視点で分析することで「脅威」の分析を行うことが可能ですし、逆に5つの圧力が弱ければ「機会」としてとらえることも出来るのです。
いかがでしたでしょうか。
SWOT分析を行う際に上記のようなフレームワークを組み合わせていただくことでより分析をフカボリすることが出来ます。
(2)分析結果から戦略を導くSWOTクロス分析
次にフカボリした分析結果から、戦略を導くSWOTクロス分析をお伝えいたします。
SWOTクロス分析は、その名の通り4つの分析をクロスさせることで戦略を導いていきます。
戦略①強み×機会
「強みを活かして機会を捉える戦略」積極的に何をしていくか?➡実現性、成功確率が高い定石と言われる戦略です。
戦略②弱み×機会
「弱みを補って(改善して)機会を捉える戦略」取りこぼしを無くすために何をするか?
戦略③強み×脅威
「強みを活かして脅威を乗り越える戦略」脅威を回避、打ち負かすために何をするか?
戦略④弱み×脅威
「最悪の事態を回避する戦略」想定される最悪の事態をどのように回避するか?
このようにSWOTクロス分析により大きく4つの戦略を導くことが出来ます。その中で優先順位を決めて戦略の実行に移していきます。もちろん優先順位のつけ方は「強みを活かして機会を捉える戦術」から考えていただけると良いと思います。
(3)目的を振り返り実践
最後のステップは「目的を振り返り実践」です。
SWOT分析を行う際は、
目的を達成するために、どのように強みを活かしたらよいか?
目的を達成するために、どのように弱みを克服したらよいか?
目的を達成するために、どのように機会を捉え活用するか?
目的を達成するために、どのように脅威を回避するか?
すべては、事業の目的を達成することがスタートとなっていると思います。言い換えるとSWOT分析はそのための分析手法でしかありません。
戦略から戦術の策定、実践においても、この目的を振り返り実践につなげていただけますと幸いです。そうすることで目的達成に向けての効果検証、改善とPDCAがぐるぐる回っていくと思います。
今回はSWOT分析を考えるをテーマにお伝えいたしました。
SWOT分析の歴史は古く、1920年代にハーバードビジネススクールにて考案されたと言われています。今年ちょうど101周年ですね。歴史があるからこそ本質を捉えた分析ツール、是非ご活用いただき事業の推進にお役立ていただけますと幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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