コラム

【マーケティング戦略の基本】マーケティングリサーチを考える

2023.01.23

こんにちは!コンサルタントの山倉です。
こちらの記事では、「マーケティングリサーチを考える」といたしまして、リサーチがマーケティング活動へ与える影響について考えていきたいと思います。
ポストコロナに向けて今年度は大きな変化を迎えると感じております。そのような中で、今後の戦略、施策の実行に向けてのヒントとなりますと幸いです。

今回は、マーケティングリサーチを考えるとして
・理想のお客様、ペルソナが絞り込み出来ていない
・社内での共通認識が持てていない
・戦略や施策の方向性に自信が持てない
このようなお悩みに向けた書いた記事です。

なお弊社では、「マーケティングリサーチ」について30分無料オンライン相談を承っています。ちょっとした事の確認・相談でも大丈夫ですので、こちらからお気軽にご相談ください。

マーケティングリサーチとは

 そもそもマーケティングリサーチとは何か?整理をすると下記のように言えるのではないかと思います。
■マーケティング リサーチとは
市場動向や消費者の声を聞き、分析し、消費者のニーズを捉えた商品開発やプロモーション施策に活かすこと

つまりマーケティングリサーチは、「消費者の声を企業に届けること」であり、当社であれば子育て家庭の会員組織トキっ子くらぶを運営しておりますので、「子育て家庭の声をカタチにすること」ことがマーケティングリサーチの役割と言えます。
言い換えるとマーケティング施策が企業から消費者へ矢印が向いた活動であることに対し、マーケティングリサーチは、消費者から企業へ矢印が向いた活動と言えると思います。
そのため、マーケティング施策に対するマーケティングリサーチの影響度は高く、企業側、消費者側にメリットをもたらします。

企業のメリット
・売れる可能性の高い商品・サービスの開発
・消費者に刺さるプロモーションの実施
・経営資源を無駄にしてしまうリスクの抑制

消費者のメリット
・自分が欲しい商品開発の実現

このようにマーケティングリサーチは、世の中へ大きなインパクトを与えます。実際にマーケティングリサーチの市場規模は総額897.5億USドル(日本円で換算すると約9兆円)の市場規模が見込まれます。ちなみに日本は約200億USドル(約2,000億円)の市場で推移しており、国別1位のアメリカは約480億USドル(約4兆8,000億円)となっています。残念ながら国別ランキングでは、年々日本の順位は低下しており、個人的にはマーケティングリサーチと経済成長は密接につながっているのではないかと感じています。

一般社団法人 日本マーケティング・リサーチ協会:ESOMAR 国際業界統計(GMR)2021を公表より

これは使える!公的データ

 マーケティングリサーチは調査会社に依頼して行う場合もありますが、近年自社独自で行うDIYリサーチや無料で使用できる公的データも充実しています。今回は、簡単ではありますが3つご紹介できたらと思います。
 (1)RESAS(リーサス)地域経済分析システム
  産業構造や人口動態、人の流れなどの官民ビッグデータを集約し、可視化しています。
 https://resas.go.jp/

  
たとえばですが、有効求人倍率の推移などもリーサスから上記のようにグラフでわかりやすく可視化することができます。
コロナ以前の人手不足から一時的に有効求人倍率は低下したもののポストコロナに向け有効求人倍率が増加していることがわかります。

 (2)V-RESAS※「V」はVital Signs of Economy(経済のバイタルサイン)
  リーサスのコロナ版!新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響の可視化しています。
 https://v-resas.go.jp/

 こちらは決済データから見る消費動向になりますが、小売業におけるECでの消費がコロナ以前と比べで大きく増加して推移していることがわかります。

(3)e-Stat 政府統計の総合窓口
日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイトです
https://www.e-stat.go.jp/
国勢調査や家計調査、経済センサスなどの統計を見ることができます。また、分析だけでなく統計データを活用してグラフや地図上で示すことができる機能も社内が外部への共通認識を得るために役立ちます。

このように公的データによる根拠を無料で使用することができ、また、グラフなど自動で見やすい形に可視化できることで非常に便利です。社内での利用ももちろんですが、営業などでも提案の根拠として活用することも一つかもしれません。

インサイトを探ろう

最後に、マーケティングリサーチの効果としてとあるシニア向け雑誌の事例をお伝えします。そのシニア向け雑誌は、書店に並ばない定期購読のみの販売なのですが、38万部の販売、女性誌No1のヒットとなっています。
過去最低の売上からV字回復を実現した、この成功のカギにマーケティングリサーチがあるのではないかと感じています。

こちらの雑誌は、月刊誌の3か月も早く制作をスタート
テーマに対して徹底的に調査、座談会など読者との会合も年間200回を数えると言います。
さらに月に2,000~3,000枚届く“ご意見ハガキ”を読み込み、ペルソナを明確にされていると聞きます。

「シニア向け雑誌だから健康のこととか、老後のことでしょ」と思われるかもしれませんが、こちらの雑誌では、グレイヘアーの特集をはじめとするファッションやスマホ特集、ポケモンGOによる散歩特集などで人気を獲得しているのです。
この“思い込み”を捨て読者に寄り添う紙面づくり、V字回復の秘訣がマーケティングリサーチにあったと思うのです。

消費者が何に価値を感じ、何に不満を感じているのか、求めているが満たされない心理は何か、消費者さえも気づいていない無意識の潜在意識=インサイトにまで耳を傾けることが、消費者の心を満たすアイデア、特集につながっていると感じました。
“終活ノート(エンディングノート)”を子、孫に引き継ぐ “リレーノート”とする読者への取材はまさに消費者インサイトに寄り添った企画になると感じました。

いかがでしたでしょうか。
今回は「マーケティングリサーチを考える」をテーマにお伝えいたしました。
改めて私自身も消費者、クライアントに向き合えているかと考えるとまだまだと感じています。マーケティング屋として、市場に向き合い、消費者に向き合いマーケティングリサーチにより“求められる価値”を提供していけたらと思います。
 今回の内容が今後の戦略、施策の実行に向けてのヒントとなりますと幸いです。
 今年度はマーケティングリサーチを中心にブログを発信していきます。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

なお弊社では、「マーケティングリサーチ」について30分無料オンライン相談を承っています。ちょっとした事の確認・相談でも大丈夫ですので、こちらからお気軽にご相談ください。

私が担当しました!
山倉 正稔

コンサルティング部 シニアコンサルタント

A Good Impact 【職場づくり、事業計画、農家の左腕】企業の問題点・課題をヒアリングし、課題解決に向けた施策の提案をしています。現在は、人財採用、定着に関するセミナーや職場づくりコンサルティ…

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