コンサルティング部 コンサルタント
「自分なりにマーケティング施策を考えておいて」――このように言われて、困っていませんか?
こんにちは。グローカルマーケティングの阿部です。
前編はいかがでしたか?前編はマーケティングの基本的な現状把握についてお伝えさせていただきました。この全2回のコラム、後編では分析結果を元に「計画」「展開」のステップへとマーケティング立案を進めていきながら基本の内容を解説します。
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前編のおさらい
前編では現状の自分の状態や環境を分析し、その結果を元に以下の3つを設定いたしました。
・条件(自分には何ができて、何ができないか、会社の経営資源)
・マーケティング目標(マーケティング活動で達成したいこと)
・マーケティング課題(マーケティング目標達成の障害となる要因、仕組み)
ここまでのステップはあくまで自分自身の価値観や考え方で分析していましたが、後編のステップでは主に客観的な視点で判断していく点に注意が必要です。
「計画」ステップ 標的とポジションを明確化
ここでは、どの市場に資本を投入するのか標的を定めて、標的(ターゲット市場)にとってどんなブランドであるのかを明確化します。
前編の分析結果を元に、自分のマーケティング課題を解決するための大まかな市場は見えてくるかと思います。
ここでは仮に「A炭酸水 500ml 特徴は炭酸が業界最弱」という商品でご説明します。
A炭酸水の販売する市場は大まかには「炭酸水市場」となりますが、購買者の価値観や消費者の生活様式などで様々に市場を意味のあるまとまりに細分化していきます。すぐに思いつくものにはサイズ・価格・味という軸や飲用シーンといった軸があります。
今回は飲用シーンで細分化してみます。
・「寝起き~朝食」「昼食」「夕食」「運転中」「お風呂上り」
上記が、容易に細分化できそうです。これで、市場を5つに細分化できました。
次に細分化した市場のどこをターゲット市場とするのかを選択します。ここでどの細分化市場を選択するのかは前編で分析した結果を元に最も費用対効果の高そうな市場をターゲットにします。A炭酸水では、前編の分析結果から「業界最弱炭酸」という特徴があるため弱刺激が受け入れられそうな「寝起き~朝食」の細分化した市場をターゲット市場にします。
ここで注意が必要です。簡単に細分化できた市場にはライバルも多い事が一般的で、カテゴリーリーダーと戦うことになる可能性が高くなります。かといってあまりに特殊な軸で細分化すると細分化した市場でトップになることができても事業継続ができる売上が確保できないかもしれません。そのため、事業活動が可能な規模であり、かつマーケティングの条件、目標、課題を満たす市場細分化がポイントとなります。
細分化した中から狙うターゲット市場がきまったら、その市場のライバル、求められる価値、将来性などを考慮してターゲットにとってどんな価値を提供することができるのか、ターゲットの頭の中でどういう商品、ブランドとして認知されたいかを決めていきます。
ここでも前編の情報を元に判断をします。仮にこの段階で細分化市場のライバルに勝ち目がない事が分かったら細分化のステップに戻り新たな軸で細分化を試みます。
今回は炭酸水市場で「業界で最もやさしい炭酸水」というポジションを設定してみましょう。
「展開」ステップ 4Pの設計と思考錯誤
ポジションまで決まったら、よく聞くマーケティングの4Pを設定します。
【4P】
・Product(製品) なにを?
・Price(価格) いくらで?
・Place(流通) どこで?
・Promotion(販売促進) どうやって?
を考えます。
商品開発のマーケティングであれば製品、価格までも考慮する必要があります。今回の「A炭酸水」の場合であれば製品、価格を変えることは難しいでしょう。そうなると流通と販売促進で課題の解決を目指す必要があります。ただし「製品」に関しては販売促進の力で変えることができます。例えば、炭酸水を「洗顔に使う」という使い方訴求を行うと製品は飲料商品→美容商品へと変化します。ここでの「製品」とはターゲットにとっての「便益・価値」であり「企業がどう売りたいか」という固定概念にとらわれない柔軟なとらえ方が突破口になることもありますので注意してください。
今回は例として朝シーンにA炭酸水を販売する事が必要です。寝起きに外出するのは億劫に感じる方が多いと予想して販売チャネルは牛乳や新聞のような配達かネットでの販売とします。例えば、条件がゆるすなら牛乳配達店とコラボして既存の他社チャネルを利用することも可能かもしれません。
このように流通ではターゲットがいかに簡単にストレスなく商品やブランドと接点を持てるかが大切なポイントになります。
次に販売促進です。ここまで来てようやく前編冒頭でお話しした「効果的な売上アップの施策を教えて?」と生成AIへ問いかけた検索結果の良し悪しが判断可能となります。
販売促進の中には「広告」「SNS運用」「店舗施策」「パッケージ」「イベント」などなど、ターゲットに対してどんなメッセージで商品を記憶してもらって「買いたい」のスイッチを押すかを様々考えます。
例えば、A炭酸水を「朝専用炭酸水」というコンセプトを軸にして販売促進を計画すると、朝番組CM、食パンメーカーとコラボ、朝を想起させるパッケージや特設サイトなどなどが考えられます。
その結果、ターゲットの頭の中で「朝シーン炭酸飲料=やさしいA炭酸水」というポジションを確立することができれば成功となります。
A炭酸水は説明用に単純化しました。しかし、実際には4Pを考えて実施してもマーケティング目標の達成に至らない場合もあります。その場合は「分析」「計画」まで戻り新たに検討しなおす必要があります。これが最後の試行錯誤です。「分析」から実施にいたる時間に市場環境が変化してしまうことも容易にあります。そのためマーケティングの基本プロセスは壁に当たったらふり返って再検討することが大切となります。
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