コラム

カスタマーハラスメント対策の第一歩:2026年10月の義務化に向けた環境づくり

2026.02.27

こんにちは!グローカルマーケティング株式会社シニアコンサルタントのかんのです。

現代の店舗やサービス現場は、単に商品やサービスを提供する場であるだけでなく、高いホスピタリティが求められる場となっています。SNSの普及による情報の拡散性や、消費者の権利意識の変化、さらには深刻な人手不足など、現場を取り巻く環境は年々複雑化している傾向にあります。

その中で今、喫緊の課題として注目されているのが カスタマーハラスメント対策 (以下、カスハラと表記)です。さらに、2025年6月に成立した改正労働施策総合推進法により、2026年10月予定から、全ての事業主に対してカスハラ対策を講じることが義務化される見通しとなりました。

✓カスハラ対策、義務化に向けて何から手を付ければいいか分からない…
✓毅然とした対応をすることで、店の評判が下がるのが怖い
✓法律で定められている具体的な義務の内容を知りたい
このようなご相談を多くいただきます。

本コラムでは、カスハラ対策の基本と義務化のポイントを押さえながら、導入による変化や実践のステップを、現場の視点を交えて解説していきます。

まず、カスハラとは一般的に「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該言動により、労働者の就業環境が害されるもの」を指す可能性があると考えられています。
少し表現が難しいので、簡単にお伝えすると、

「お客さんの言い分が正しくても、その言い方ややり方がひどくて、働いている人が困ったり怖い思いをするなら、それはカスハラ」ということです。

正当な「クレーム(苦情)」と「カスハラ」の境界線は曖昧な場合もありますが、長時間の拘束、威圧的な言動、過度な謝罪の要求などが含まれるケースが見受けられます。2026年10月以降は、これらへの対応が努力義務ではなく、組織として取り組むべき「法的義務」となる可能性があるのです。


今回の法改正により、事業主には主に以下の4つの措置を講じることが義務付けられる可能性があると考えられています。

1. 事業主の方針等の明確化および周知・啓発

「カスハラは容認しない」という企業の姿勢を明確にし、就業規則等に定めることが求められる可能性があります。

2. 相談体制の整備・周知

従業員が被害に遭った際、すぐに報告・相談できる窓口を設置し、周知することが義務となる見込みです。

3. 発生後の迅速かつ適切な対応・抑止

事実確認を行い、被害を受けた従業員のメンタルケアや再発防止策を講じることが求められると考えられます。

3. プライバシー保護と不利益取扱いの禁止

相談者のプライバシーを守り、相談を理由とした不利益な扱いを禁止することが義務付けられる可能性があります。

1. 事業主の方針等の明確化および周知・啓発

組織が明確な指針を示すことで、スタッフは「自分は守られている」という安心感を得られる可能性があります。その結果、過度なストレスによる離職を防ぐ効果が期待できるかもしれません。

2. 現場の判断基準の明確化

「ここまでは対応するが、これ以上は組織として断る」という基準を共有することで、現場スタッフの心理的負担が軽減され、本来のサービスに集中できる環境が整う可能性があります。

3. 良質な顧客層の維持

毅然とした対応は、他のお客様にとっての快適な利用環境を守ることにつながり、長期的な店舗のブランド価値向上に寄与する場合があると考えられます。

対策を進めるうえで大切なのは、段階的な取り組みです。まずは 現状の把握 から始めましょう。過去のトラブル事例を洗い出し、スタッフがどのような場面で負担を感じているかをヒアリングすることが有効かもしれません。

次に必要なのは 組織としての姿勢の表明 です。ポスターの掲示や公式サイトでの指針公開など、無理のない範囲から「迷惑行為には対応いたしかねる」という意思を示すことが、抑止力に繋がる可能性があります。

また、成功には スタッフの巻き込みと教育 が欠かせません。具体的なフレーズやエスカレーションのルールを定めたマニュアルを作成し、ロールプレイングを行うことで、現場の定着がスムーズになる傾向があります。

対策を導入した現場では、前向きな変化が報告されることがあります。

例えば、
ある飲食チェーンではカスハラに対する基本方針を策定し、その内容を店頭にステッカーを掲示しました。これにより、過度な要求を繰り返す層が減少し、店舗全体の雰囲気が穏やかになったという声が上がっています。
また、コールセンター業界では、暴言があった際に電話を切断できる権利をオペレーターに付与する動きが広がっています。これにより、二次被害の防止やオペレーターの定着率向上に繋がっている可能性が示唆されています。
そして、小売業では、今まで従業員の名札に名字が記載されていましたが、個人が特定され暴言や個の侵害にあたるような行為を受けていたので、名札を名字の記載からイニシャルの記載に変更したとこ、カスハラの被害が減少した成果も見受けられました。

これらの事例に共通するのは、カスハラに対して、放置せず、毅然とした対応と対策をしたことが、従業員にとって安全に働ける環境に繋がっているという点です。

もちろん、対策には課題もあります。代表的なのは「顧客満足度低下への懸念」「スタッフによる判断のばらつき」です。
これらを解決するには、まず経営層が「従業員の安全が第一である」というメッセージを根気強く伝え続けること、そして相談窓口を設置し、迅速且つ適切な対応を取る手段が明確になることが有効です。また、研修を通じて「正当なクレーム」と「ハラスメント」の切り分けを学ぶ機会を設けることで、スタッフの判断力を養うことが期待できます。

カスハラ対策は、単に従悪質な顧客を排除するだけのものではなく、働く人の尊厳を守り、持続可能な店舗運営を実現するための取り組みです。2026年10月予定の義務化は、大切な従業員を理不尽な攻撃から守るための体制を整える、絶好の機会と言えるかもしれません。
また、弊社では、カスタマーハラスメント対策のご助言やハラスメント全般の内容を踏まえたセミナー・研修を実施し、ハラスメントの理解と適切な対応方法をご支援しております。
下記のリンクからご確認が可能です。

▼サービス詳細はこちらから

重要なのは「小さく始める」こと、そして「組織として孤立させない」ことです。導入して終わりではなく、結果を見て改善を繰り返すことで、カスハラ対策は確実に成果へとつながります。
あなたの会社も、従業員の笑顔を守るための一歩を、今から踏み出してみませんか。

最後までお読みいただきありがとうございました!
是非、みなさまからのご依頼をお待ちしております!


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かんの ゆうき

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