コンサルティング部 シニアコンサルタント
こんにちは!WEBマーケティングコンサルタントの武田知浩です。
この記事では、BtoB企業様がWEBマーケティングに取り組む際に、どのようなことを行えばよいのか、取組施策やその内容について体系的に整理してお伝えさせて頂きます。
・対法人営業を行っているけどうまくいかない。
・今までアナログなことを中心に行っていたけど限界。
・BtoB領域で出来るWEB/デジタルマーケティングの施策を知りたい。
このようなお悩みをお持ちの方に向けて書きました。アナログからデジタルへの転換を考えているBtoB事業者様の参考になれば幸いです。
なお弊社では、「BtoB企業様のWebマーケティング」について30分無料オンライン相談を承っています。ちょっとした事の確認・相談でも大丈夫ですので、こちらからお気軽にご相談ください。
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BtoB企業のWebマーケティングは全体像を確認するところから始める
当社では「マーケティング・サクセスマップ」というものを作成して売れる仕組みづくりのご支援を多く行わせて頂いております。マーケティング・サクセスマップを作成する過程で、以下内容に取り組んでいきます。
①理想のお客様像(=ペルソナ像)の明確化
②自社・商材の売り強み(=独自ポイントや差別化ポイント)の明確化
③マーケティング施策の検討・明確化
マネジメントの大家であるドラッカー教授は以下の様に言われていました。
・The aim of marketing is to make selling superfluous.
・The aim of marketing is to know and understand the customer so well that the product or service fits him and sell itself.
『The Practice of Management』 より
・マーケティングの目的は、販売を不要にすることである。
『マネジメント【エッセンシャル版】』 より
原文と訳文の両方をお示ししましたが、要するに「顧客のことをよく理解する」、そうすることで「商品・サービスが売れるようになる」ということを伝えています。販売や営業が不要になるということではなく、無理に売り込む必要がないと捉えることも出来ますね。もちろん現実は厳しく、熾烈な競争が存在するのも事実です。何もしないで飛ぶように売れるものはほんの一握りあるかないかではないでしょうか。だからこそ熾烈な競争に勝ち抜くために、マーケティング活動を行うことが必要不可欠だと私は考えています。
また現代マーケティングの父ともいわれるコトラー教授はマーケティング活動をわかり易く体系化した偉大なる人物です。
①リサーチ
②STP:Segmentation-Targeting-Positioning)
③4P:Product(製品)-Price(価格)-Place(流通チャネルなど)-Promotion(コミュニケーション)
④実践と振り返り
このようにマーケティング活動を誰にでもわかり易く体系化してくれました。コトラー教授も製品や価格を考える前に、ターゲットを考えることの重要性を説かれていますね。こういった考え方を踏まえて、当社ではマーケティング・サクセスマップの作成を通じてお客様のマーケティング活動をサポートしています。
下図は今回のブログテーマであるBtoB企業のWEBマーケティングを考えるために作成したサンプルとしてのマーケティング・サクセスマップです。
※本来は右上の「誰に(理想のお客様)」と左上の「何を(提供価値)」を考える工程も含まれるのですが、イメージのため割愛しています。
上記マーケティング・サクセスマップでは、見込み客とのタッチポイントを上から下に繋げていき、成約獲得を目指すものです。自社と見込客との関係性をフェーズに分けて、そのフェーズに適したWEBマーケティング施策を打ち、成約に向けてアプローチを進めていくことになります。
BtoB企業の認知獲得のために出来るWEBマーケティング施策
どんなに良い商品やサービスを提供していても、それを知ってもらえなければ、存在しないも同然です。知ってもらえなければ当然検討すらしてもらえません。そのため新規開拓を行う場合はいかにして自社、自社商材を知ってもらうかということを考えます。
・WEB/SNS広告でBtoB領域を攻める
WEBマーケティングの領域で出来る「知ってもらう」ための施策は、ずばりWEB/SNS広告です。
・Instagram広告
・Facebook広告
・Twitter広告
・YouTube広告
・LINE広告
・Google広告
・Yahoo!広告
この他にも専門媒体への広告掲載、特定ニュースアプリへの広告掲載など様々なWEB/SNS広告配信の選択肢が存在します。配信先が無数にあるからこそ、広告を配信する際には、扱う商材やターゲットによって慎重に配信先を選ぶ必要があります。
さらに広告を配信する際には、クリックした後に着地するページ(ランディングページ、LP)をしっかりと用意する事もとてつもなく重要です。
広告の目的は大きく分けると「認知獲得」と「集客」です。情報が溢れすぎる今日、中途半端な予算ではWEB上の広告だけで認知を獲得するのは困難になりつつあります。純粋に認知を獲得したい場合には、何度も繰り返し目にしてもらうことが必要となります。ただし、それで嫌われてしまう恐れもありますが。
そこで潤沢な予算がない場合には「集客」目的で広告配信することが望ましいです。この集客目的の場合、あくまで広告をクリックして特定のページにユーザーを誘導するまでが広告の役割です。どんなユーザーを集客したいのか徹底的に考えて、少額予算からテストしていき、反応を見ながら予算額を拡大していくのが良いですね。
そこから先、実際にお問合せやリード情報獲得に至るかどうかはランディングページ(着地先のページ)にかかっています。
・ターゲット訴求が明確
・提供価値が明確
・差別化ポイント、独自ポイントがある
・価値の裏付け、根拠がある
・導入事例、お客様の声などの安心材料がある
・初回無料などのオファーを用意している
ランディングページには、最低でもこのような情報を見やすく、分かりやすいデザインで盛り込んでいないと、見向きもされません。せっかく広告費を払って集客したにもかかわらず、すぐに帰られてしまいます。
穴の開いたバケツにいくら水を入れても、水は漏れ続けます!
広告配信とランディングページはセットで検討するようにしましょう。
・メールマーケティングに名刺を有効活用する!
BtoB領域で事業活動をしていれば、展示会や商談会、セミナーなどに参加して外部の人と名刺交換する機会も多いかと思います。その名刺、しっかりと活用できていますか?
・担当者の名刺ホルダーに収納されているだけ…
・担当者のPCの中のエクセルに入力されているだけ…
こんなことになっていませんか?なっていたら大問題ですよ!一時期TVCMでも名刺情報を全社で共有することの重要性を喚起していましたよね。覚えていますか?外部で交換した名刺情報は会社の財産です。財産だからこそ全社一丸となって管理することが重要なんです。
ここをデジタルの領域で深めていくと「CRM(Customer Relationship Management)運用」になります。システムを活用して「顧客との関係性を適切に管理する」ということです。社内のだれが、いつ、どこで、名刺交換して、その後どのようなアクションを取っているのか、一目瞭然となります。
また、登録されている名刺情報の中から任意の方を抽出して、その方々に向けてメールマガジンを配信することができるCRMシステムもあります。
①メールマガジンを配信する
②メールを開封してもらう
③メール本文中のリンクをクリックしてホームページ、ランディングページへ誘導する
こうしたことを狙ってメールマガジン運用を行います。昔からあるメールマガジンという手法ですが、非常に奥が深く、工夫次第ではいまだに有効なマーケティング施策です。
・メールの件名を工夫する
・本文内容を価値あるものする
・お手紙風にする
・動画を掲載してみる
・ダウンロードできるお役立ち資料を用意する
色々な工夫が考えられますね。せっかく獲得した名刺情報を120%活用できるように、デジタル上の仕組みを構築していきましょう。
「CRMシステム メルマガ配信」「メール配信システム、メルマガ配信システム」こういったキーワードで検索して頂くととても多くのサービスがあることが分かるかと思います。当社はZOHOのサービスを利用しております。またそれまでにも各種システムの導入を検討したこともあります。多すぎてどのサービスを選べばいいか分からないという際にはお気軽にご連絡ください。
BtoB企業の集客のために出来るWEBマーケティング施策
BtoB領域のWEBマーケティング施策の本命は「リスティング広告」です。GoogleとかYahoo!とかの検索エンジン上に表示されるあの広告です。
自社で困ったこと、解決したいことがあれば、とりあえず検索して調べるという行動をとることは多いはずです。解決したいニーズが明確になっているので、良さそうだなと思ってもらえれば、問合せ獲得まではスムーズに流れることが多いです。技術的なことになればなるほど、WEB上の情報を見て検討するよりも、問い合わせた方が早いと考える傾向にあるからです。
リスティング広告も非常に奥が深いのですが、広告対効果という観点では非常に優れているので、何とかものにしたいところですね。昨今広告を配信する事業者が増えたので、競争が激しくなっている印象ですが、まだ間に合います!
・お客様はどんなキーワードで検索しているのか?
・お客様はどんな課題や悩みがあるのか?
・お客様はどんな情報を知りたいのか?
・同業他社は広告を出しているか?
・出している場合はどんな広告を出して、どんなページに誘導しているか?
この辺りを徹底的に考え抜いてから、リスティング広告の配信を行うようにします。また、業種業態や扱う商材によって異なると思いますが、LTV(顧客生涯価値)を考えることも重要ですね。つまり一度ご契約して頂けるとどれくらい継続してご利用いただけるかという観点から顧客価値を検討するということです。
新規のお客様を獲得するために月に100万円広告費をかけて、実際に獲得したお客様のLTVが大きく上回れば広告対効果は高いと言えますよね。
また先ほどもお伝えしましたが、ランディングページが重要ポイントです。どんなに良さそうな見出しや説明文を作ってユーザーの目を引いても、ランディングページの内容が魅力に乏しいとやはり即離脱につながります。
予算が限られている事業者様ほど、すでにニーズが顕在化しているユーザーを対象にしたリスティング広告に取り組むべきです。
(※かなり特殊な業界や、新しすぎてニーズがない場合、向かないですね。)
WEB/SNS広告に関しては別記事でまとめていますので、併せてごらんください。
BtoB企業の見込み客育成のために出来るWEBマーケティング施策
ホームページやランディングページに来てもらった後は「お問合せ」「資料請求」など何かしらの行動をとってもらうことが一つのゴールとなります。多くの場合何かしらの行動をとってもらうことで、初めてお客様情報を獲得することが出来ます。(名刺情報起点を除きます。)お客様情報(メールアドレス、電話番号)が分かることで、リアル施策へとつなぐことが可能になります。
お問合せや資料請求の直後に電話連絡、メール連絡することも一つの手ですし、継続的にメールマガジンを配信してじっくり知っていってもらうことも出来ます。オンラインセミナーなどを開催して理解を深めてもらうことも最近は普通になってきましたね。
お客様の課題感、温度感によって、WEBとリアルの施策を使い分けて、上手にお客様と付き合っていくことが大切です。この段階でMA(マーケティングオートメーション)を活用するケースが増えてきています。
BtoB企業はWEB/デジタルだけでは無理!アナログも引き続き重要!
BtoB領域ではやはりリアルな対人力が重要です。コロナ禍でだいぶオンラインスタイルも定着してきましたが、重要な商談部分に関してはまだまだリアルな温度感が重視されていますよね。
WEB/デジタルの力を使って、商談までの流れを作り出すということを意識して取り組んで頂ければと思います。
まとめ:BtoB企業のWEBマーケティング施策は限定的なので、自社にとって必要なことを徹底的にやり切る!
BtoB領域では、お客様も同じ法人なので、個人の趣味・嗜好よりも論理性が重視されます。その商品・サービスを購入、契約することの正当性とでも言いますか、そういった部分が求められますよね。社内の予算取りから始まり、社内稟議を経て決済が下りるケースがほとんどでしょう。その過程で窓口担当者の方は社内の色々な関係者に説明を求められると思います。これは業種業態に関わらずある程度同じ傾向にあると思いますので、マーケティング施策も同じ内容に収束していくと考えいます。
・知ってもらうために出来ること:WEB/SNS広告、メールマガジン
・集客のために出来ること:リスティング広告
・見込み客育成のために出来ること:マーケティングオートメーション
お客様の置かれた状況に応じて取るべきマーケティング施策を考え、実践出来れば理想的ですね。
なお弊社では、「BtoB企業様のWebマーケティング」について30分無料オンライン相談を承っています。ちょっとした事の確認・相談でも大丈夫ですので、こちらからお気軽にご相談ください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。