コラム

【営業DX戦略】製造業の売上向上のカギとは?

2023.04.14

DX(デジタルトランスフォーメーション)が話題にあがって久しいですが、皆さまの会社では実践されて成果に繋がっているでしょうか。今回はセールスにおけるDX、それも製造業にフォーカスした営業DXについてご紹介致します。

ITツールを活用して業務効率化をするだけでなく営業のやり方そのものを変えてしまうことで、大きな成果に繋がった事例をご紹介致します。

なお弊社では、「営業DX」について30分無料オンライン相談を承っています。ちょっとした事の確認・相談でも大丈夫ですので、こちらからお気軽にご相談ください。

ホットなお客様にアプローチする

製造業の営業DXとしてまず取り組みたいのは、ホットなアプローチリスト(=見込度の高いお客様リスト)を作成してそこに優先的にアプローチするという点です。

引き合いを待っているだけではなくこちらから攻めに出て仕事をとってくることはとても重要ですが、ではどこにアプローチすれば良いのか、ということが最初にあたる壁です。

そこで、ある製造業の会社ではCRM(顧客管理システム)を導入して、取引があるお客様から名刺交換しただけの接点先までの情報を管理することにしました。すると、誰がいつどのお客様とどのような商談をしているのか、何をいくらで提案して受注したのか失注したのか、などのデータが溜まっていくようになりました。

それから、メール配信ツールを導入してお客様に新商品情報などを配信して一斉にアプローチができる仕組みを整えました。メール配信ツールでは、誰がいつメールを開封して本文中のリンクをクリックしたかどうかまで計測することが可能です。

こういった仕組みを整えることで、

・過去に取引があったけど最近は縁遠くなってしまったお客様
・一度展示会で名刺交換しただけだがメールをよく開封してご覧になっているお客様
・メール本文中のリンクをクリックしてWebページを何度もご覧くださったお客様

など、ニーズが想定できるお客様の抽出を瞬時に行うことが可能になったのです。

これこそホットなアプローチリストですので、営業担当の方がアプローチする際にとても効率的に見込が高いお客様を優先していくことができますね。

事務作業を効率化して営業活動に時間を割く

お客様と商談をした際は、履歴を残しておかなければ忘れてしまったり本人しかわからなくなってしまったりします。営業マネージャーは各メンバーがどのような商談をしているのか把握して的確に助言をすることがメンバーの成長や会社全体の目標達成に繋がるわけですが、そのためにわざわざ会社に戻って日報を書くような運用では手間が大きく営業活動にかける時間を削ってしまいます。

そこで、ある製造業の会社ではCRM(顧客管理システム)に商談管理の機能も組み込むことにしました。商談の際にお客様とお話した内容をメモする場所を手元のノートではなくPCにすることで商談が終わった時点で少し手直しすればすぐに商談履歴を残すことが出来ます。それが顧客情報と紐づくので、どの取引先のどの担当者様と自社の誰がどのような話をしたのかすべて記録に残るようになります。

そして、商談履歴を入力すると営業マネージャーにメールが配信されるように設定しました。今まではメンバーが会社に戻って日報や報告書を記載してその紙が社内を回っていたので営業マネージャーが把握するのが何日も後になってしまっていましたし、報告書を作成するメンバーの手間も大きかったのですが、それらが一気に解消されて営業マネージャーが瞬時に商談状況を把握することができるようになりました。

これによってメンバーが1ヶ月に訪問できるお客様数が1.3倍まで増加しました。それだけ商談機会をつくることができれば結果にも大きく寄与しますね。

営業部と製造部のコミュニケーションを円滑化する

営業担当は受注したらその情報を製造部に共有して生産計画に組み込まなければなりません。ただ、営業担当は製造部の稼働状況をリアルタイムに把握できているわけではないため、受注してみたもののお客様の納期にお応えすることが難しいケースが発生してしまったり、製造部は何とか間に合わせようとするほど負荷が大きくなってしまうことが発生してしまったりするものです。

そこで、ある製造業ではキーワード②でご紹介した商談履歴のメールを製造部にも配信するように設定しました。併せて社内SNS・チャットツールを導入することで社内コミュニケーションが円滑化。受注前にどのような案件が発生しているかが製造部に伝わるだけでなく、他の営業担当がどのような案件をもっているか共有できるため、お客様への納期回答を現実的なラインで行いやすくなったほか、製造部に急激な負荷を発生させないようにすることができるようになりました。

新規開拓もしっかり推進する

製造業で新規開拓を行う手法の鉄板として展示会出展があります。展示会ではたくさんの見込客情報(名刺)を集めること、名刺交換した接点先の中から見込度を見極めること、優先順位をつけてスピーディにアプローチすることが求められます。

ある製造業では名刺をスマートフォンのカメラで撮影することで瞬時に文字を読み取ってテキストデータ化するツールを導入しました。展示会で何百枚も取得した名刺を一つひとつデータ入力していくのは膨大な作業ですが、それを一瞬でデータ化してくれるのは嬉しいですね。
そしてデータ化した顧客情報をCRMに入力します。すると、お客様情報が蓄積されて、いつ、どの展示会で接点を持ったのか記録が残ります。さらにCRMはメール配信ツールと連携していますから、あらかじめ用意しておいた御礼メールが自動的に配信されます。

展示会に参加する方は一般的に2時間程度会場に滞在して10数件のブースをまわる人が多いと言われますから、その中で思い出してもらうためにはスピーディにアプローチすることが重要です。これもITツールを活用することで簡単に実現できるのです。

新規開拓もしっかり推進する②

せっかくならば展示会以外で新たなお客様との接点をつくる仕組みも整えましょう。見込度の高いお客様を呼び込むためのWeb活用もおすすめです。

お客様からの引き合いを獲得する王道のパターンは、リスティング広告×ランディングページです。リスティング広告とは検索エンジンの検索結果に表示される広告のことで、指定したキーワードで検索した人に対して広告が配信されるものです。(詳しくはこちらの記事をご覧ください)

リスティング広告を使えばニーズが顕在化しているお客様を自社のWebサイトに呼び込むことができます。そこで広告をクリックした先のページとしてランディングページを用意するのです。

広告をクリックした先がホームページのTOPだと欲しい情報をお客様が探しに行かねばならず手間に感じられたり、場合によっては欲しい情報を見つけられずに残念に思われたりするかもしれません。いずれにしても、今の時代は見たい情報が簡単に見つからなかったら瞬時にページを離脱されてしまいます。だからこそお客様が欲しい情報、広告に関連した情報だけを掲載する1枚もののランディングページを用意することが重要なのです。

ある製造業では、自社の業界や製品、製法に関連するキーワードでリスティング広告を配信しました。すると、仕入れ先を探している会社の担当者がインターネット検索をした際に広告が表示され、クリックするとランディングページに着地します。そこで商品の魅力をしっかりと訴求することで問合せに繋がります。

しかも、ランディングページはCRMと連動させていますから、問合せ頂いたお客様の情報は自動的に顧客情報としてCRMに蓄積されていくことになるのです。

意外とハードルが低い営業DX

ここまでで様々なツール活用方法をご紹介してきました。これらを実際に導入するためのハードル、意外と低いのです。具体的には、お金はそれほどかからないということ、専門知識がなくても導入できるということの2点を挙げます。

たとえばCRM(顧客管理システム)であれば、当社のご支援先が利用しているサービスは月額800円から利用できるものがあります。(これは数ある事例の中の最安値ではなく、当社ご支援先の中で最も利用されているサービスです。)もちろんより高機能なシステムが使いたい、社員みんなでアカウントをもって運用したい、といった要望があれば料金が上がりますが、実際に上記で運用可能なのです。自社に合わせた項目設計をする際にもプログラミングは不要で、視覚的・簡単に設計することができます。

メール配信ツールは当社がおすすめしているもので月額360円から利用可能です。CRMと連携することも、展示会で名刺交換したお客様に自動的に御礼メールを送ることもその料金内で可能です。デザイン性の高いテンプレートを選んで文字を入力すればすぐに配信が可能です。

社内SNSやチャット、名刺データ化は無料から使えるツールがありますし、今は本当に便利なツールがたくさんあるので、要は知っているかどうか、やるかどうかです。

こういったツールを使いこなして営業活動のやり方そのものを変えてしまう営業DX、ぜひ実践しましょう。

なお弊社では、「営業DX」について30分無料オンライン相談を承っています。ちょっとした事の確認・相談でも大丈夫ですので、こちらからお気軽にご相談ください。

私が担当しました!
遠藤 頑太

取締役COO 兼 コンサルティング部 部長

仕事って楽しい!と感じる人を一人でも多く増やすために、お役に立てるご支援とチーム作りをして参ります。

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