コラム

中小企業にこそ必要な「売れる・人が集まる」ブランディングの進め方

2025.12.12

こんにちは!コンサルタントの堀田タケルです。

あなたは、「ブランディングは大企業がやるものだ」と思っていませんか?

私は、地域に根差した特定のニッチな市場で勝負する中小企業こそ、強力なブランディングが必要だと考えます。

私は、ブランド・マネージャー認定協会のブランド・マネージャー2級・1級(※)という専門資格を保有しています。
当協会が提唱する「ブランド・ステートメント」という8つのブランド構築ステップに共感し、これこそが中小企業のブランディングのヒントになる!と感じました。

※「ブランド・マネージャー」とは
ブランド・マネージャーは、ブランドの資産としての価値を高めるために、その構築から管理までの活動全般にわたる広範囲の経営的責任を担います。広義のブランド・マネージャーとは、役職名ではなく、経営者的視点からブランドの価値を高める経営戦略を実現する役割を担う人を指します。
(ブランド・マネージャー認定協会より)


「うちの会社は、どうしていつも価格競争に巻き込まれるのだろう」
「優秀な人財が採用できない」
「長年下請けの立場から抜け出せない」

この記事を読んでいるあなたがこのようなお悩みを抱えているなら、その課題を解決する鍵は「ブランディング」にあるかもしれません。

この記事では、ブランド・マネージャー認定協会の「ブランド・ステートメント」の内容に触れながら、ブランディングの進め方と成功のポイントを解説します。

▼ 目次はコチラ ※クリックすると該当の箇所までスクロールします。  

そもそも、中小企業のためのブランディングとは?

大企業にとってのブランディングが「市場全体での認知拡大」だとするならば、中小企業にとってのブランディングは「お客様・地域社会・従業員から選ばれ続ける理由を明確にし、磨き上げること」です。

ブランディングの本質は、他社との「違い(=差別化)」を明確にすることです。

私たちは、中小企業の経営のリアルを知っています。
だからこそ、手の届く範囲の資源(地域資源、従業員の情熱、ニッチな技術など)を最大限に活用し、「唯一無二の存在」になるための支援にこだわっています。

8ステップで進める中小企業のブランド構築

ブランド構築は、感覚やデザインセンスではなく、論理的な手順に沿って行うべき経営戦略です。
ここでは、ブランド・マネージャー認定協会が提唱する、信頼性の高い8ステップのブランド構築プロセスに基づき、中小企業が実践すべきポイントを解説します。

この8ステップは、大きく以下3つのフェーズに分けられます。

① 自社を取り巻く環境を分析し、自社だけのポジションを見つける4ステップ
② 核となる価値を定義するステップ
③ これらを具体化し、市場に伝えるための目標設定の3ステップ

①分析と戦略構築の4ステップ

ステップテーマ概要
1環境分析による市場機会の発見自社を取り巻く市場環境(顧客、競合、トレンドなど)を分析し、自社が成功できるチャンス(市場機会)を見つけます。
2市場細分化(セグメンテーション)市場を細かく分類し、ターゲットを絞り込むための準備を行います。
3見込み客の選定(ターゲティング)ステップ2で分けたセグメントの中から、自社が最も価値を提供でき、かつ利益を生み出せる顧客層を選びます。
4独自性の発見(ポジショニング)競合との違いとなる独自の強みや、顧客に提供できる独自の価値を見つけ、市場における自社の優位な立ち位置(ポジション)を明確にします。

②ブランドの核を決める重要ステップ

ステップテーマ概要
5ブランド・アイデンティティブランドの核となるコンセプト、価値、パーソナリティなどを定義します。ブランド・ステートメントの中で一番吟味すべきステップです。

③ブランド実現に向けた3ステップ

ステップテーマ概要
6具体化STEP5で定義したアイデンティティ(核)を、具体的な商品・サービス、サービス提供の仕組み、店舗デザイン、ウェブサイトなどの形に落とし込みます。
7刺激の設計(コミュニケーション)ターゲット顧客にブランドの価値が伝わるよう、メッセージ、プロモーション、広告などの設計を行います。
8目標設定ブランドが目指す姿や、ブランディング活動の成果を、売上・利益・顧客ロイヤリティ・採用人数など、数値や基準で具体的に設定します。

中小企業のブランディングを加速させる3つのポイント

この8ステップを「絵に描いた餅」にならないよう、中小企業にとって現実的な力に変えるために、私たちが特に重視する3つのポイントを解説します。

ポイント1:中小企業ならではの資源を活用する

地域の歴史、風土、特産品、人脈など、中小企業が持つ「地域資源」は、大企業には決して真似できない強力な裏付け(RTB:Reason To Believe)中小企業が持つ「地域資源」は、大企業には決して真似できない強力な裏付け(RTB:Reason To Believe)になります。
地域の強みを活かし、市場で通用する価値に変えることで、ブランドを磨き上げます。

施策は多岐にわたるため、自社の課題に合った優先順位がつけられず、迷走してしまいがちです。
まずは客観的な「現状分析」を行い、自社の現在地を正確に把握する必要があります。

ポイント2:従業員を巻き込んだ「共創」プロセスを重視する

ブランディングは、経営層だけの仕事ではありません。
現場で顧客や関係者と接する従業員一人ひとりがブランドの体現者です。

私たちは、従業員の皆様を巻き込んだワークショップ形式でブランドの定義を行います。
これにより、理念が「自分ごと」となり、ブランド浸透率と定着率が格段に高まります。

ポイント3:採用力・社内求心力への波及効果も考える

ブランドを確立することは、社外だけでなく、社内にも大きな効果をもたらします。

今回解説をしているブランディングは、一般的に「エクスターナルブランディング」と言われる対お客様や対求職者への考え方になりますが、インナーブランディング(インターナルブランディング)」と呼ばれる、対社内に対してのブランディングも非常に重要です。
ブランディングとは、この内外のベクトルが揃ってこそ真の価値を発揮します。

インナーブランディングについての詳しい内容は、ぜひこちらの記事でご確認ください。


▼参考:コラム「インナーブランディング 」社員の主体性を上げる!中小企業のためのインナーブランディングとは?


まとめ

いかがでしたでしょうか?

中小企業にとってのブランディングは、単なる見た目のデザイン変更ではなく、「価格競争」という泥沼から脱出し、「選ばれる理由」を確立するための、重要な経営戦略のひとつです。

当社は、全国の中小企業が抱える「価格競争からの脱却」「採用難の克服」といったリアルな課題をたくさん見てきたことで、今回ご紹介した8ステップのブランド構築プロセスもふまえて実効性の高いブランディング支援を提供しています。

「自社のブランドを見つめ直したい」
「より付加価値の高い商品・サービスを販売していきたい」
「採用にも強い会社になりたい」

なにかひとでも当てはまるものがありましたら、ぜひ一度、まずは私たちのブランディング支援サービスをご覧ください。


▼サービス案内:ブランド構築・リブランディング支援 独自のブランドを確立し、競争優位性を築くための戦略策定・実行を支援する

▼支援事例(今回のステップを分かりやすく簡略化し進めています) 注文住宅会社様のリブランディング&WEB活用推進プロジェクト支援


最後までお読みいただきありがとうございました!

私が担当しました!
堀田 タケル

コンサルティング部 シニアコンサルタント

あらゆる経営課題をデジタルと人財の力で解決に導きます。 課題解決のための伴走型コンサルティング、経営者向けのセミナーや人財育成を目的とした社内研修の講師登壇、また各種ディレクション業務を担当しておりま…

マーケティング・人財採用育成・デジタル業務効率化に関するお問い合わせはこちら

お気軽にお問い合わせください。

  • 売上を伸ばすために何から手を付ければいいか分からない。
  • 人手不足で困っている、募集しても集まらない。
  • せっかく採用できても定着しない。
  • 社員の育成に力を入れたい。
  • デジタルを活用した業務効率化を図りたい。
  • 生成AIを活用したいけど何から取り組めばいいか分からない。