コンサルティング本部 シニアコンサルタント
こんにちは!グローカルマーケティングの山倉です。
「100億企業創出」に続き、中小企業庁が新たに打ち出した注目の政策構想「10億宣言」をご存知でしょうか?
2026年5月の中小企業政策審議会でその概要が示されて以来、地域経済を支え、次のステージへの飛躍を目指す多くの地方中小企業・経営者から熱い注目を集めています。「自社も対象になるのか?」「地域にどのような影響があるのか?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、売上1億円〜10億円規模の中小企業が、地域の雇用と経済を牽引する主役に育つためのカギとなる「10億宣言」の概要と、本格的な制度リリースに向けて『我々が今から準備すべきこと』を、分かりやすく解説します。
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なぜ今、「10億宣言」が注目されているのか?
これまで国は、中堅・中小企業の成長支援として「100億企業」の創出を掲げてきました。しかし、2026年現在、日本全体が深刻な人手不足を伴う「労働供給制約社会」に直面しています。
このような背景から、中小企業庁は政策の対象をより広げ、売上1億円〜10億円規模の企業群(約60万社)を本格的に育成する方向へと舵を切りました。
企業の「数」を追うのではなく、付加価値労働生産性を高め、地域の雇用と経済を牽引する「質」の高い企業を育てることが、今の日本、そして地域経済の活性化には不可欠となっているのです。
<10億宣言のキーワード>
・労働供給制約社会:
人手不足が原因で、モノやサービスへの需要があっても「働き手」が足りず提供できない社会。人も中小企業も数よりも質であり、経済の供給力強化のため、「強い中小企業」を作る必要がある。
・付加価値労働生産性:
従業員がどの程度効率的に付加価値を生み出しているかを表す指標
(付加価値労働生産性=付加価値÷労働力(人数や時間))
「10億宣言」とは?国が想定する企業像と最大の目的
「10億宣言」とは、直近の売上高が1億円〜10億円未満の中小企業が、「売上高10億円規模への成長、あるいは高収益企業への転換を本気で目指す」という強い意志と経営ビジョンを公表(宣言)する仕組みです。

出典:経済産業省 「労働供給制約社会における中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化戦略(案)に伴う政策の見直しについて(概要)2026年5月 中小企業庁」
「10億宣言」で国が想定・重視している企業像
・売上高1億円〜10億円未満の規模感で、次なる成長を目指す企業
・要素技術や特色ある商品・サービスなど、成長の核となる独自の事業価値(数字だけではとらえきれない価値)を有している企業
・自社の利益拡大にとどまらず、地域経済に有意な変化をもたらし、地域の中核を担うポテンシャルがある企業
・経営者自身が現状維持からの脱却へ「本気で」取り組み、かつメインバンク等からの「本気の伴走支援」を受けながら進む意志がある企業
制度の狙い(目的)
単なる努力目標を掲げる仕組みではありません。
人手不足時代を生き抜くために、独自の強みを活かした「戦略的経営」へと組織を転換させることが狙いです。
社長への一極集中から、企業組織としての総合力へと移行し、価格交渉力の強化、差別化・ブランドといった事業価値の向上を図ります。その結果として地域経済を牽引する強い企業へと確実に成長させるための、新たな支援の枠組みとして検討が進められています。
宣言で求められる「5つの公表項目」
「10億宣言」では、ただ目標額を掲げるだけでなく、以下の5つの項目について具体的なシナリオを公表することが想定されています。
①経営者のビジョン(どこを目指し、どう変わるのか)
②事業価値の磨き上げ(誰に、どのような独自の価値を提供するのか)
③成長アセットの構築(DX導入、人材育成、組織体制の整備など)
④地域経済への貢献(賃上げや地域での雇用創出など)
⑤金融機関の伴走支援方針(メインバンク等とどう連携していくか)等
売上規模そのものよりも、「どのような戦略と投資で地域に貢献しながら成長を描くのか」というストーリー性が問われます。
宣言企業向けに検討されている「3つの支援施策」
10億宣言を行い、本気で成長を目指す企業に対しては、国から強力な後押しとして「経営・金融・投資」の3本柱による支援施策が検討されています。
経営支援(人材支援、ソフト支援の充実)
経営基盤を強化するための人材確保・育成や、DX・システム導入といったソフト面での支援が充実する見込みです。
金融支援(成長資金の呼び水となる新たな政策金融)
新たな政策金融の枠組みを通じ、民間金融機関からの融資を誘発する「呼び水」として、事業成長に向けた積極的な投資等を資金面から強力にサポートする仕組みが検討されています。
投資支援(投資支援に向けた補助金の効果的活用)
ものづくり補助金など主要な補助金制度において、宣言企業への優先的な採択や優遇(加点措置など)を設けることで、企業の思い切った設備投資を効果的に後押しする方向で調整が進められています。
地域から10億宣言企業を創る!我々が今から準備すべき3つのこと
2027年度の本格的な制度創設が検討されている今、地域を牽引する企業へと成長するために、我々が今から始めておくべき準備をまとめました。
自社の「現在地」と「強み」の再確認
まずは自社の収益構造を見直し、価格転嫁できているか、地域においてどこに独自の付加価値の源泉があるのかを整理しましょう。
成長シナリオ(経営計画)の言語化
「AIやDXをどう活用して生産性を上げるか」「地域雇用の質を高めるためにどう組織を変えるか」といった3〜5年先のロードマップを描き、社内や金融機関に説明できるように言語化します。
頼れるパートナー(専門家・金融機関)との関係構築
「10億企業への壁」は、自社だけで抱え込み、乗り越える必要はありません。
専門家や金融機関など外部パートナーとの対話を今から増やしておくことが重要です。
まとめ:10億宣言企業への道は「現状把握」と「計画」から始まる
「10億宣言」は、国からの「現状維持から脱却し、共に稼ぐ力を高めよう」という強いメッセージです。地域から次の10億宣言企業が続々と誕生し、街全体が活性化していく未来に向けて、今のうちから自社の経営計画を見直してみてはいかがでしょうか。
「自社で10億宣言に向けて動きたいが、何から手をつけていいか分からない」
「地域に根ざした成長ストーリーを一緒に描いてほしい」
そんなお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
地域に根ざした外部パートナーとして、客観的な視点からの現状整理や計画策定はもちろん、中小企業の皆様の「稼ぐ力」を引き上げる『マーケティング』『業務効率化』『人財採用・育成』の3本柱で、計画の実行まで伴走することが可能です。
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