コンサルティング本部 第二コンサルティング部マネージャー
こんにちは!グローカルマーケティングの藤井俊介です。
「海外に販路を広げたいけれど、展示会に出るには費用がかかる」
「展示会出展に依存しない効率的・効果的な海外販路開拓の方法を知りたい」
「海外のバイヤーとどうやって出会えばいいのか、きっかけがつかめない」
海外展開を考える中小企業の経営者様から、こうしたお悩みをよくうかがいます。
そこで今、注目されているのがLinkedIn(リンクトイン)です。インターネット上で海外の企業の担当者を探し、直接やりとりを始められるため、少ない費用で海外営業の第一歩を踏み出せます。
本コラムでは、LinkedInを初めて使う方でも取り組めるよう、準備から相手探し、メッセージの送り方、日々の発信までを4つのステップでご紹介します。
なお弊社では、「海外販路開拓」について30分無料オンライン相談を承っています。ちょっとした事の確認・相談でも大丈夫ですので、こちらからお気軽にご相談ください。
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LinkedInとは?
LinkedInは、仕事やビジネスのつながりに特化した世界最大規模のSNSです。会員数は約13億人で、200以上の国と地域で利用されています。国別に見ると、米国(約2億7,000万人)、インド(約1億7,000万人)、イギリス(約4,800万人)などで広く使われています。
米国では人口の約78%、カナダでは約72%、シンガポールでは約87%、アラブ首長国連邦(UAE)では約88%に当たる人数が登録しています。海外のビジネスパーソンにとっては、まさに「名刺代わり」の道具です。一方、日本の会員は約540万人で、人口の4.4%にとどまっています。
原則として実名で登録し、会社名・部署・役職・職歴などを公開しているのも大きな特徴です。
出典:LinkedIn 「About Us」「About LinkedIn」2026年10月
出典:DataReportal 「Digital 2026」(米国、インド、イギリス、カナダ、シンガポール、アラブ首長国連邦、日本の各国版)2026年
LinkedInが海外営業に向いている3つの理由
①決める立場の人に直接届く
会社名・役職・担当分野が公開されているため、「ドイツの食品商社の仕入れ責任者」のように、話すべき相手を絞り込んで直接連絡できます。普通ならつながれない相手にも届き、返信ももらいやすいのが特徴です。
②展示会より費用を抑えて続けられる
本格的に取り組むには有料プラン「Sales Navigator」(月額約10,000円)がほぼ必須です。それでも、海外展示会への出展や出張に比べれば、はるかに少ない費用で世界中の相手と接点を作り続けられます。
③展示会の効果も高まる
会期の前から相手とつながっておけば、初日から商談を始められます。会期の後も名刺交換だけで終わらせず、LinkedInでつながり続けられます。展示会という「点」の営業を、前後をつなぐ「面」の営業に変えられます。
LinkedInを使った海外営業は、以下の図のように4つのステップで進めます。

ステップ1:プロフィールを英語で整える
海外の相手は、メッセージを受け取るとまず送り主のプロフィールを見ます。ここが空欄だと、どんなに良い商品でも読んでもらえません。営業を始める前に、次の項目を英語で整えましょう。
整えるのは、主に以下の図の5か所です。

①顔写真:自然な笑顔で、背景がシンプルなもの。「実在する担当者」という安心感につながります。
②背景画像(バナー):業界や製品が伝わる画像に、短いキャッチコピーや会社のロゴを添えます。詰め込みすぎず、シンプルに。
③見出し(名前の下の一文):役職だけでなく「誰に何を届けているか」を書きます。
例:Export Manager / Premium Japanese rice crackers for retailers in Europe
④自己紹介欄:誰のどんな課題を解決できるか、これまでの経験に加えて、「なぜこの仕事をしているのか」という想いや原体験を書きます。「家業を継いだきっかけ」「ものづくりへのこだわり」は、海外でも心に残る強みです。
⑤職歴:担当業務だけでなく、成果を数字で書きます。
例:「海外5か国への出荷実績」「不良率を10%下げた」
あわせて、個人とは別に会社のページも作り、製品写真と英語のホームページへのリンクを載せておきましょう。
英文は翻訳ツールやAIを使って下書きしても構いません。ただし、製品名や専門用語は一度、英語に詳しい方に確認してもらうと安心です。
LinkedInには、営業向けの有料プラン「Sales Navigator(セールスナビゲーター)」があります。月額約10,000円(2026年10月時点)で、国・業種・役職などの条件を組み合わせて、話すべき相手を絞り込んで探せます。無料版の検索は使える条件や回数に制限があるため、海外営業に本格的に取り組むならSales Navigatorはほぼ必須と考えてください。
無料版との主な違いは次のとおりです。つながり申請や投稿は、どちらでもできます。
- 検索:無料版は基本的な検索のみ。Sales Navigatorは50種類以上の条件で絞り込めます。
- InMail(つながっていない相手へのメッセージ):無料版では使えません。Sales Navigatorは月50件まで送れます。
- 相手の保存・お知らせ:Sales Navigatorでは、気になる相手をリストに保存し、投稿や転職のお知らせを受け取れます。
出典:LinkedIn 「Sales Navigator Compare plans」2026年10月
最初は「1か国・1業種・1役職」に絞るのがコツです。相手を広く取りすぎると、メッセージがぼやけて反応も読みにくくなります。
以下の図のように、条件を重ねて絞り込んでいきます。

- どの国の会社か:地域(Geography)。
例:Germany、Singapore - どんな会社か:業種(Industry)、従業員数(Company headcount)。
例:食品卸、従業員50〜200人 - どの部署の人か:部門(Function)。
例:Purchasing(購買)、Engineering(技術) - どの役職の人か:役職名(Current Job Title)、役職レベル(Seniority)。
例:Buyer、Purchasing Manager、Director - 返事をくれそうか:最近投稿している人(Posted on LinkedIn)、共通のつながりがいる人(2nd degree connections)。日頃からLinkedInを使っている人は、申請にも気づいてもらいやすくなります。
気になる相手は「リスト」に保存しておくと、その人の投稿や転職などのお知らせも受け取れます。まずは30〜50人ほどを目安に保存し、「申請済み」「返信あり」などの進み具合も記録しておきましょう。
ステップ3:売り込まずに「つながる」
最初の一通で商品を売り込むと、ほとんど返信はもらえません。目標は「商談」ではなく「つながり申請を受けてもらうこと」と考えましょう。
- 短くする:つながり申請に添える一言は2〜3文で十分です。
- 相手に合わせる:相手の会社や投稿に触れ、「なぜあなたに連絡したのか」を一言入れます。
- つながった後で紹介する:申請が受け入れられたらお礼を伝え、そこで初めて自社の商品を簡単に紹介します。
人は、共通点のある相手に親しみを持ちやすいものです。同じ業界で働いている、相手の国に関心がある、過去に相手の国の企業と仕事をした、相手の投稿を読んだ、などを一言添えましょう。反対に「I’d like to connect with you.(つながりたいです)」だけの申請は、なぜ自分なのかが伝わらず、承認されにくくなります。
つながり申請に添える一言の例です(日本語訳付き)。
Hi Anna, I saw your post about growing demand for Japanese snacks in Germany. We make rice crackers in Niigata, Japan, and I’d love to connect and learn from your experience.
(アンナさん、ドイツで日本のお菓子の需要が伸びているという投稿を拝見しました。私たちは新潟でせんべいを作っています。ぜひつながって、お話を伺えれば嬉しいです。)
「買ってほしい」ではなく「教えてほしい」という姿勢です。現地の声を聞くことは、そのまま商品づくりや価格設定のヒントにもなります。
申請が承認されない相手には、Sales Navigatorの「InMail(インメール)」機能で、つながらないまま直接メッセージを送ることもできます(月50件まで)。
ステップ4:投稿とコミュニケーションで「信頼」をためる
つながった相手は、あなたの投稿を通じて会社のことを少しずつ知っていきます。すぐに取引にならなくても、「そういえばあの会社がいた」と思い出してもらえることが大切です。
人は、接する回数が増えるほど相手に好感を持ちやすくなります(心理学で「ザイオンス効果」と呼ばれます)。投稿を続けることは、相手の画面で何度も顔を合わせることです。
投稿のネタは、特別なものでなくて構いません。
頻度は週に1回を目安に、写真1枚と短い英文から始めましょう。無理なく続けられるペースを守ることが、何よりの近道です。
- ものづくりの現場:職人の手仕事、品質管理の様子、原材料へのこだわり
- 地域の魅力:産地の風景や季節の行事。海外の方にとっては「日本らしさ」そのものです
- お客様の声:国内外の取引先からいただいた評価(掲載の了解をとったもの)
- 展示会や商談の報告:出展のお知らせや、そこで得た気づき
慣れてきたら、図解で分かりやすく伝える、動画で人柄や想いを伝える、長めの記事で専門知識を発信するなど、形式も工夫してみましょう。長めの記事は、Google検索から読まれることもあります。
投稿とあわせて大切なのが、相手とのやりとりです。
- 相手の投稿に反応する:メールと違い、LinkedInでは相手の投稿に「いいね」やコメントで関われます。褒めるコメントや共感するコメントは喜ばれやすく、返信も返ってきやすくなります。
- メッセージで課題を聞く:やりとりが生まれたら、いきなり売り込まず、相手が困っていることを聞きます。予算、導入を決める人、求めているもの、導入したい時期の4つを少しずつ確かめておくと、商談に進みやすくなります。必要に応じて資料や導入例をお送りし、信頼関係ができたらオンラインでの面談へ進みましょう。
まとめ
LinkedInを使った海外営業は、次の4つのステップで進めます。
①プロフィールを英語で整える
②Sales Navigatorで相手を検索する
③売り込まずにつながる
④投稿とコミュニケーションで信頼をためる
大きな予算をかけなくても、海外のお客様と直接つながることができます。大切なのは、小さく始めて続け、相手の反応から学んでいくことです。
なお弊社では、「海外販路開拓」について30分無料オンライン相談を承っています。ちょっとした事の確認・相談でも大丈夫ですので、こちらからお気軽にご相談ください。
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LinkedIn、Sales NavigatorはLinkedIn Corporationの商標です。
上記、商標登録企業によって承認または提携されているものではありません。



