コンサルティング部 マネージャー
こんにちは! コンサルタントの八田元之です。
前回のコラムでは、BtoB営業の勝ちパターンの1つ目として、仮説を持つことの重要性をお伝えしました。
前回のコラムはコチラ:【BtoB営業】勝ちパターンへの道①:仮説を持つ
今回は、この仮説を商談の場で活用し、成約率を高めるためのヒアリング術についてお話しさせていただきます。
なお弊社では、「BtoB企業様の営業」について30分無料オンライン相談を承っています。ちょっとした事の確認・相談でも大丈夫ですので、こちらからお気軽にご相談ください。
Table of Contents Plus
1.必ず「課題の合意→提案」の順番を守る
商談で意識すべきは、必ずお客様と課題に合意をしてから、提案を始めることです。
お客様が課題を認識できていない場合、「自分にとって必要ではないこと」を提案されている気持ちになり、聞く耳を持っていただくことができません。
しかし、「ここが課題ですよね」、「ここに取り組む必要がありますね」ということをお客様と合意できていれば、「自分たちが解決しなければならない課題に対して解決するためのアドバイスをくれている」というマインドで、いわば必要なものとして聞いていただくことができるのです。
まずは、課題に合意をする。そのためにヒアリングを行いましょう。
2.お困りごと(課題)を引き出すためのフレーズ
課題を引き出し、合意をする際に便利な3つのフレーズを用いて、ロールプレイング形式で見て行きましょう。設定は以下のとおりです。
「自分」
『顧客』
①ホームページを拝見したところ○○に力を入れられているようですが
「ホームページを拝見したのですが、採用活動に力を入れられているようですね」
『そうですね、ありがたいことに2人の採用が決まったところです。』
「さすがでございます。採用を強化されるということは、今よりも受けられる仕事を増やされて、売上を拡大していくことを目指されているのでしょうか?」
『そうですね。』
「新入社員の方が現場で一人前になるまで、どのくらいの時間がかかるものですか?」
『だいたい1年~2年くらいですかね。』
「だとすると、その間は会社としての生産性が少し下がってしまいますね。」
『そうなんです。売上だけでなく、利益面も重視しているため、採用できたは良いけど戦力として貢献していただけるまで時間がかかるのはネックです。短期的には売上拡大・利益の改善は難しいかもしれません。』
「生産性を高めながら、人を増やすこともできれば、利益を下げることなく売上拡大を図ることができますね。」
『そのとおりですね。しかしながら、生産性を高めるといっても弊社は汎用機による手作業がメインになるので、中々生産性を上げることも難しいのです。』
「よろしければ、生産性を高めるということについて、直近で成果を上げられている事業者様の事例も交えて少しお話しさせていただいてもよろしいですか?」
『ほう。ぜひ聞いてみたいですね。』
はい。課題に合意をすることができましたね。事前にHPやSNSなどで情報収集したことを小出しにしながら、相手の課題を形成していくことが重要です。
②最近御社と同業のお客さまでは○○に取り組まれていると良くお聞きするのですが、御社ではいかがですか?
「働き方改革関連法の改正で残業時間が規制される見通しであることから、最近は多くの製造業様が荷下ろし時間を短縮するために様々な工夫をされているとお聞きします。御社でもやはり何かしらの対策をされているものでしょうか?」
『それが中々対応が遅れていましてね。他社さんではどんな工夫をされているのでしょうか。』
「他社様で良くお聞きするのは、フォークリフトの増加ですね。物流コストを抑制するためにも、工場スタッフの残業を抑制するためにも、荷下ろしや倉庫作業を短縮できるようにフォークリフトの台数を増やしておられる企業様が多いですね。」
『なるほどねー。どのようなスペックが人気ですか?』
「弊社でもいくつか納品させていただいているのですが、よろしければ少しご紹介してもよろしいですか?」
『ぜひお願いします。』
他社様の事例をお話しすることで、フラットな気持ちでお話をお聞きいただくことができ、課題として認識していただきやすくなります。
③(既存サービスに)仮に点数をつけるなら?
『住宅設備の修繕は既にお願いしているところがあるから大丈夫です』
「そうでしたか。今既にご対応いただいている事業者様がいらっしゃるのであれば安心ですね。」
「ちなみに、今後の弊社サービス向上のために、私の勉強のために1つだけお伺いしたいのですが。」
『なんでしょうか?』
「仮に現在のサービスに点数をつけるとしたら10点中何点くらいでしょうか?」
『うーん、8点くらいかなあ』
「なるほど。ちなみにあと2点は何があれば10点になるのでしょうか。」
『そうですね、強いて言うなら、もう少しわかりやすい説明でしょうか。素人でもわかるように説明してほしいのですが、中々難しいものですかね。』
はい、課題が出てきましたね。
このように、お客様に競合が入っている場合には、お客様から現状の改善点を考えてもらう時間が必要です。
競合に対して点数をつけるというのは、失礼とも捉えられかねませんので、「現状でご自身が受けていらっしゃるサービスの満足度」や、「これまでの経験に対する満足度」についてお伺いすることも良いでしょう。
3.まとめ
お客様の課題について仮説を準備し、それをヒアリングで引き出して合意をすることが重要であるとお伝えさせていただきました。
とはいえ、こうしたヒアリング力を独力で身につけるというのは難しいものです。
営業活動は属人化しやすいからこそ、各自の営業ノウハウや事例を、定期的に共有していく仕組みが必要です。
皆様が普段実施されている「営業会議」を、もっと成果に繋がる効果的な場にするために、私たちにご相談いただく事業者様も少なくありません。
組織として営業力を高めていきたいという方は、ぜひ私までご連絡ください!
弊社では、「BtoB企業様の営業」について30分無料オンライン相談を承っています。ちょっとした事の確認・相談でも大丈夫ですので、こちらからお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。