コラム

【中小企業向け】生成AI研修で何を学ぶ?「個人利用」から「組織活用」へのポイント

2026.09.25

こんにちは!グローカルマーケティングの武田です。

最近、企業様から生成AI研修についてご相談いただく機会が非常に増えています。その中で、経営者や管理職の方からよくお聞きするのが、こんなお話です。

✓「ChatGPT等を使っている社員はいるけれど、使い方は個人任せになっている」
✓「生成AIを使う人と使わない人で、かなり差が出ている」
✓「社員向けに生成AI研修をやりたいが、何を学ばせればいいのかわからない」
✓「生成AIを入れれば、本当に会社全体の業務効率化につながるの?」

皆さんの会社ではいかがでしょうか?生成AIは、メール作成、議事録、資料の要約、企画のたたき台、データ整理など、様々な仕事で活用できるようになっています。

一方で、「使える人が、それぞれ便利に使っている」という状態で止まっている企業様も少なくありません。

もちろん、最初はそれでいいのです。まず一人ひとりが使ってみて、「これは便利だ!」と感じるところから生成AI活用は始まります。ただし、会社として考えるのであれば、その先があります。これから重要になるのは、「生成AIを使える社員を増やすこと」から、「生成AIを使って仕事を改善できる組織をつくること」へ進むことです。

私は普段、中小企業を中心とした民間企業様や各種団体様で、社員・従業員向けの生成AI研修を行っています。数時間の基礎研修だけでなく、10時間~12時間程度かけて、実際の業務への活用まで一緒に考える研修を行うこともあります。

今回は、そうした研修の経験も踏まえながら、
「会社として生成AIを活用するとはどういうことなのか」
そして、
「そのために生成AI研修では何を学ぶべきなのか」
をお伝えします。

なお弊社では、「生成AI活用」について30分無料オンライン相談を承っています。「社員向けに生成AI研修を考えている」「自社のどの業務に活用できるか整理したい」といった段階でも大丈夫です。お気軽にご相談ください。

▼ 目次はコチラ ※クリックすると該当の箇所までスクロールします。 


中小企業の生成AI活用、「使う人だけが使っている」で止まっていませんか?

社内を見渡してみると、
「営業の〇〇さんは生成AIをよく使っている」
「若い社員はChatGPT等を使っているらしい」
「会議の議事録を作る時だけ生成AIを使っている」
といった状態になっていないでしょうか。これは生成AI活用の入口としては、まったく悪いことではありません。

しかし、個人が生成AIを便利に使うことと、会社として生成AIを活用することは別物です。

例えば、ある社員が生成AIを使って30分かかっていた仕事を10分で終わらせられるようになったとします。その社員本人にとっては、大きな業務効率化です。でも、その方法を本人しか知らなければどうでしょうか?隣の社員は同じ仕事に30分かけています。部署が違えば、その便利な使い方すら知られていません。さらに、その社員が異動・退職すれば、せっかくのノウハウも一緒になくなってしまいます。

これでは、「社員個人の生産性が上がった」のであって、「会社の仕事が変わった」とはまだ言えません。ここは、生成AIを会社で活用していくうえで、とても大切な違いだと考えています。

なぜ「個人任せの生成AI活用」では会社全体の業務効率化につながりにくいのか

個人任せの生成AI活用には、いくつかの課題があります。例えば、
・使う人と使わない人に分かれる
・便利な使い方が共有されない
・同じ仕事でも、人によってやり方が違う
・生成AIに入力してよい情報の判断が人によって異なる
・成果物をどこまで確認すべきか決まっていない
・便利なプロンプトやノウハウが個人の中に蓄積される
といった状態です。

特に問題なのが、「できる人がやればいい」となってしまうことです。もちろん、最初は詳しい人が先行して使うのは自然です。しかし、それだけでは生成AI活用が「その人の特殊能力」になってしまいます。

会社として目指したいのは、「あの人は生成AIが得意だから仕事が速い」ではなく、「この仕事は、会社としてこのやり方で生成AIを使う」という状態です。

例えば議事録作成なら、「私はChatGPTを使って議事録を作っています」から一歩進んで、「当社では、会議後に文字起こしを生成AIで整理し、決定事項・担当者・期限をこの形式でまとめ、最後に担当者が確認する」まで決まっている。ここまで来ると、個人の便利技ではなく、会社の仕事のやり方になります。

「組織で生成AIを活用する」とはどういうこと?

では、組織で生成AIを活用するとは、具体的に何をすることなのでしょうか。

私は、全社員にChatGPTやGeminiのアカウントを配ることが「組織活用」ではないと考えています。大切なのは、次のような流れです。
① 仕事の中の困りごとを見つける
② その仕事を細かく分解する
③ 生成AIに任せられる部分を考える
④ 人が確認・判断する部分を決める
⑤ 良いやり方を共有する
⑥ 繰り返し使える形に標準化する

例えば「日報作成に時間がかかる」という課題があったとします。そこで、いきなり「生成AIで日報を書こう!」と考えるのではありません。まず、現在の仕事を見てみます。
現場で作業する
↓
その日の出来事を思い出す
↓
文章を考える
↓
パソコンやスマートフォンに入力する
↓
上司が読む
↓
必要な情報を確認する

こうして仕事を分解してみると、「現場で音声入力した内容を生成AIに整理してもらえば、文章を書く時間を減らせるのでは?」という活用方法が見えてきます。

●生成AIが文章を整理する。
●本人が内容を確認する。
●必要であれば上司が最終確認する。
●さらに、会社共通の日報フォーマットに合わせる。

ここまで決めれば、「生成AIを使った」のではなく、「生成AIを使って仕事のやり方を変えた」と言えるのではないでしょうか。

生成AI活用を考えるときは、
「この仕事を生成AIにできるか?」ではなく、
「この仕事のどの部分なら生成AIに任せられるか?」

と考えることが重要です。

生成AI研修で本当に学びたいのは「生成AIの使い方」だけではありません

ここで、生成AI研修の話に戻ります。生成AI研修というと、
「ChatGPT等の生成AIツールの使い方を覚える研修」
「良いプロンプトを書く研修」
というイメージを持たれるかもしれません。もちろん、それらも必要です。

実際に生成AIを触りながら、
・文章を作る
・資料を要約する
・情報を整理する
・アイデアを出す
・データを分析する
といった基本的な使い方を体験していただきます。

ただ、私はそれだけで研修を終わらせたくありません。なぜなら、生成AIで何ができるかを100個覚えても、自分の仕事のどこで使うか考えられなければ、仕事は変わらないからです。

研修の中では、生成AIを学びながら、自分たちの仕事についても考えていただきます。例えば、
「毎月繰り返している仕事は何だろう?」
「毎回ゼロから文章を作っている仕事はないだろうか?」
「情報を探したり、整理したりすることに時間を使っていないだろうか?」
「この人しかできない仕事になっていないだろうか?」
「人間が本当に判断しなければならないところは、どこだろう?」
こうした問いを通じて、普段当たり前にやっている仕事を改めて見直します。

すると、
「この作業は生成AIに下書きを任せられるかもしれない」
「ここは人が判断しなければいけない」
「この部分は会社としてやり方を統一できそうだ」
といったことが見えてきます。

つまり、生成AI研修は、生成AIについて学ぶ研修であると同時に、自分たちの仕事を見直す研修でもあるのです。

生成AIと人間の役割分担を決めることが、業務への落とし込みにつながる

生成AIを業務に取り入れるうえで、もう一つ非常に重要なのが、「どこまで生成AIに任せ、どこから人が判断するのか」を考えることです。

例えば企画書を作る場合。
生成AIには、
・情報を整理する
・構成案を作る
・文章の下書きを作る
・別の視点を出す
・抜け漏れをチェックする
といったことを任せられます。

しかし、
・どの企画を実行するのか
・会社として何を優先するのか
・お客様に何を約束するのか
・最終的にその内容でよいのか
という判断は、人間が行います。

生成AIに仕事を丸投げするのではありません。生成AIには「考える前の準備」をたくさん任せ、人間は「判断」に集中する。この役割分担を考えることが大切です。

そして、ここまで考えると、「生成AIに仕事を奪われるのでは?」という話から、「人間は、本来どの仕事に時間を使うべきなのか?」という話に変わってきます。

これは、単なるツールの使い方ではなく、会社の仕事そのものを考える話です。だからこそ、生成AI活用は経営者や管理職の方にもぜひ考えていただきたいテーマなのです。

法人向け生成AI研修は「学ぶ→試す→振り返る」で業務活用につなげる

弊社では、生成AI研修を単発で実施する場合もあれば、企業様によっては10時間~12時間程度かけ、複数回に分けて実施することがあります。そこまで時間をかける理由があります。それは、「生成AIについて知っていること」と、「仕事で使えること」には大きな差があるからです。

研修を受けた直後は、
「生成AIってすごい!」
「これは便利だ!」
と思います。しかし、職場に戻れば、いつもの仕事が待っています。そのまま数週間経てば、結局以前の仕事のやり方に戻ってしまうこともあります。そこで重要なのが、
学ぶ → 実際の仕事で使ってみる → 振り返る → 改善する → また使ってみる
という流れです。

例えば、
第1回の研修で生成AIの基本を学ぶ
↓
実際の仕事で使ってみる
↓
次回の研修で「うまくいったこと・困ったこと」を共有する
↓
もっと良いやり方を考える
↓
別の仕事でも試してみる

この繰り返しによって、「生成AIについて知っている」から、「自分の仕事で生成AIを使える」へ進みます。

さらに、「自分だけが使える」から、「チームで使える」「会社の仕事のやり方として使える」へ広げていきます。

私は、ここまで進めて初めて、生成AI研修が会社の業務改善につながっていくと考えています。

生成AI活用は「個人の便利技」から「会社の仕事の仕組み」へ

生成AIを使って、
「このプロンプト、便利だった!」
という社員がいたとします。そこで終わらせるのは、もったいないです。同じ仕事をしている人がいるのであれば共有する。繰り返し使うのであれば、テンプレートにする。会社独自の仕事なら、エージェントなどを活用し、専用の生成AIとして使えるようにする方法もあります。さらに、仕事の手順そのものに組み込む。

こうして、
個人の工夫 → チームで共有 → 標準化 → 会社の仕組み
へ変えていきます。

ここまで進めることで、生成AI活用は「できる人だけが使うもの」ではなくなります。もちろん、そのためには、
・どの生成AIを会社で利用するのか
・どんな情報を入力してよいのか
・生成された内容を誰が確認するのか
・間違いがあった場合にどうするのか
といったルールも必要です。

生成AIの活用方法だけではなく、「会社として、どう使うのか」を決めていく。これが、個人利用から組織活用へ進むということだと思います。

まとめ|生成AIを「使える会社」から「仕事を改善できる会社」へ

今回は、中小企業が生成AI活用を個人任せで終わらせず、組織として業務に落とし込んでいくための考え方をご紹介しました。大切なのは、生成AIで何ができるかをたくさん覚えることではありません。

自分たちの仕事を見て、
「どこに時間がかかっているのか?」
「何に困っているのか?」
「この仕事はどんな作業で構成されているのか?」
「どこなら生成AIに任せられるのか?」
「どこは人間が判断すべきなのか?」
と考えることです。

そして、良い使い方が見つかったら、個人のノウハウで終わらせず、組織のノウハウへ変えていく。私は、これが会社として生成AIを活用するうえで非常に重要だと考えています。

生成AI研修のゴールも、「ChatGPTに詳しい社員を増やすこと」ではありません。

目指したいのは、「生成AIを使って、自分たちの仕事をより良くできる人・組織をつくること」です。

生成AIはこれからも進化していきます。使われるツールも変わっていくでしょう。だからこそ、一つのツールの操作方法だけを覚えるのではなく、
●仕事の目的を考える。
●仕事を分解する。
●生成AIと人間の役割を考える。
●良いやり方を会社に残す。

この考え方を身につけることが大切です。

まずは皆さんの会社でも、「今、社員が困っている仕事は何だろう?」と考えてみてください。その中に、生成AI活用の入口があるかもしれません。


弊社では、中小企業・各種団体様向けに、生成AIの基礎理解から実際の業務活用、業務の棚卸し、社内での活用定着までを支援する生成AI研修・活用支援を行っています。
「社員向けに生成AI研修を実施したい」
「自社の業務にどう生成AIを活用できるのか整理したい」
「使う人だけが使っている状態から、会社全体の活用へ広げたい」
といったご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

・ChatGPTはOpenAIの登録商標です。
・GeminiはGoogle LLCの登録商標です。
上記、商標登録企業によって承認または提携されているものではありません。

私が担当しました!
武田 知浩

コンサルティング本部 トップコンサルタント

中小企業の成長エンジンとなる、デジタル活用型経営パートナー。 私は中小企業の経営者様に寄り添い、経営戦略の立案からWebマーケティング、業務効率化まで一貫してサポートするコンサルタントです。「売上を伸…

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