コンサルティング本部 コンサルタント
こんにちは!コンサルタントの石田和晋です。
皆さんのお店では、「他店と比べて特別な売りがない」「価格や品揃えで勝負してしまい、利益が残らない」なんて悩むことはありませんか? 大手チェーン店が近くにできると、「うちみたいな小さなお店は、安くしないとお客様が来てくれないのでは…」と焦ってしまいますよね。
でも、少し立ち止まって考えてみてください。お客様は、数あるお店の名から中からどうやって選んでいるのか考えてみたことはありますか?
今回のコラムでは、売れる店舗に共通する「3つの要素」から、価格競争に巻き込まれず「選ばれる理由=自分のお店らしさ」を見つける方法についてお伝えします。特別な投資がなくても、今ある資源でできることを一緒に考えていきましょう。
Table of Contents Plus
お客様はお店の価値を「総合点」で判断している
「売れる店舗」を作るためには、まずお店を構成する要素を分解してみることが大切です。結論からいうと、売れる店舗は、「ヒト×モノ×ウツワ」の掛け合わせでできています。 お客様は決して「モノ(商品)」の安さや機能だけでお店を選んでいるわけではありません。「自分にとって価値のあるお店」を総合的に判断して、お店を選んでいます。
例えば化粧品を買う場合。普段使いの化粧水やクリームなどを買いたい時は便利でパパっと買えるドラッグストアに行きますが、自分の気持ちを上げてくれるような新作コスメを試したい時は、ちょっとオシャレに着飾って綺麗な美容部員さんのいるデパートの化粧品売場に行きますよね?
飲食店も同様です。「お寿司を食べよう」となった時に、家族で楽しく週末の食事を楽しみたい時は子どもが喜ぶ回転寿司に行くと思いますが、誰かのお祝いや記念日、お世話になった大切なゲストをおもてなししたい時は落ち着いた雰囲気の寿司店を選ぶはずです。

つまり、お客様はその時々のニーズや気分によって使い分けている訳です。そして、それはヒト・モノ・ウツワがどのように組み合わさっているのかを無意識のうちに「総合評価」しているのです。
ここで陥りがちなのが、「モノ」の価格や品ぞろえだけで大手と勝負してしまうことです。そうなるとどこにでもある商品・サービスでは効果が薄く、大手と同じ土俵に立つと消耗戦になってしまいます。そうした価格競争から抜け出すためには、「ウチはこんな時にぴったりの、こんな価値を提供する店です」という「売り・強み」を明確にし、自分のお店らしさを作っていく視点=ブランディングが欠かせません。
「○○といえばあの店!」と思い出される看板商品を
自分のお店らしさ(ブランド)をお客様に認知してもらうために、一番わかりやすい武器になるのが「看板商品」です。「ここでしか体験できない!」と思ってもらうための代名詞ですね。看板商品と聞くと、「うちにはそんな特別なモノはない…」と思うかもしれませんが、難しく考える必要はありません。看板商品は「モノ」単体だけでなく、誰が作るのかという「ヒト」やどんな空間で楽しめるのかといった「ウツワ」の要素を掛け合わせることでも十分に作れます。
目指すべきゴールは、「○○(店名)といえば○○(商品・サービス名)!」とお客様の頭に浮かぶ状態を作ることです。看板商品はお店が提供する「価値」を伝える、とてもわかりやすい入り口になってくれます。

小さな店だからこそ、最大の武器は「人そのもの」
ここまで「ヒト・モノ・ウツワ」についてお話ししてきましたが、小規模事業者の皆様に一番お伝えしたいことがあります。それは小さな店にとって最大の武器は「人そのもの」である、ということです。 全国展開するチェーン店は、どの店舗でも同じサービスを提供するための「均一さ」や「安定感」が求められます。だからこそ、スタッフ個人の強烈な個性や、マニュアル化できない人間味あふれるサービスは、チェーン店には真似できない(やりにくい)領域なのです。 具体的には、以下のような「人」の個性が、そのままお店の強み(差別化)になる可能性を秘めています。
・いつも笑顔で元気のいい名物おばあちゃんがいる食堂
・元甲子園球児が営む、スポーツ好きが集まる居酒屋
・家族よりもお客様に寄り添う、凄腕セラピストのいるサロン
・ ジャズ好きのオーナーが心地よいBGM、空間をつくるカフェ
・都会から移住した元高級ホテル料理人が腕をふるうお手軽フレンチ
お客様から「また来たい」「また会いたい」「もっと応援したい」と思ってもらうこと。これこそが価格競争から離れることにつながる最強のブランディングです。「ちょっと恥ずかしいかも…」と気が引ける気持ちもわかりますが、あなたやスタッフの個性・思い・接客スタイルは、堂々と打ち出すべきお店の個性であり「価値」なのです。
実践!自店の「売り・強み」の見つけ方
ここまでお話ししてきた「自分のお店らしさ」は、難しく構えなくても、今あるものを書き出すだけで簡単に見つけることができます。おすすめなのが、添付の図表のように「ヒト・モノ・ウツワ」の切り口で整理する手軽なワークです。やり方はとてもシンプルです。ノートでも、チラシの裏紙でもかまいませんので、気楽に書き出してみてください。 ステップ1:まずは「自店にあるもの」を箇条書きにする 「ヒト(接客スタイルや店主の思い)」「モノ(商品のこだわり)」「ウツワ(立地や雰囲気)」の3つの視点で、思いつくままに自店のありのままの特徴を並べてみます。「これって当たり前では?」と思うようなことでも、小さなことでもとにかく書き出していきましょう! ステップ2:「それって、お客様にとってどんなイイコトがある?」と変換する 書き出した特徴の横に、それがお客様にとってどんな喜びや安心につながるのかを書き足します。いわゆるベネフィット(便益)に置き換えるということです。

ポイントは「お客様目線」。例えば国道沿いという立地はそれ自体はただの特徴ですが、忙しいサラリーマンや運転手から見ると「移動の合間にささっと食べられる」という風にベネフィットとして捉えられます。
「これをやれば完璧なブランドができる」と重く受け止める必要はありません。まずはこのちょっとした視点の切り替えをするだけで、価格競争に巻き込まれない「あなたのお店だけの価値」がすっと見えてきます。今日の休憩時間にでも、ぜひ簡単なメモ書きから始めてみてください。
まとめ
「売れる店舗」と聞くと、特別な投資や圧倒的な商品が必要になると感じるかもしれません。しかし、そのヒントは、今すでにある「ヒト・モノ・ウツワ」の中に意外と隠れています。ただし、毎日お店に立って一生懸命お客様と向き合っていると、ご自身のこだわりやお店の魅力が「当たり前」になってしまい、客観的な価値になかなか気づきにくくなるのはごく自然なことです。
「そもそもうちの本当の強みって何だろう?」
「どんなところが評価されているのか、自分でも分からない」
「特徴はあるけれど、どう言葉にしていいか迷う」
と感じた時は、ぜひ壁打ち相手としてお気軽に私たちを頼ってください。現場の状況やあなたやスタッフの皆様の思いをじっくりとお聞きしながら、あなたのお店ならではの「選ばれる理由」を一緒にで整理していきます。明日からできる小さな一歩を、見つけるお手伝いができれば嬉しいです。





