コンサルティング部 シニアコンサルタント
(2024年1月5日更新)
こんにちは!WEBマーケティングコンサルタントの武田知浩です。
昨今ネット販売にチャレンジする方がとても増えてきていると感じております。コロナ禍による非対面需要の伸びという特殊要因はありましたが、便利な購買体験という文脈におけるネット購入はこれからも増えていく一方でしょう。一方で、この1~2年で新しくネット販売を開始された方から、同じようなお悩みを聞く機会が増えました。
・オンラインショップを開設して1年近くたつが売上が出ない!
・オンラインショップに色々と手を加えているが、本当に正しいか分からない!
・どうすればいいんだろう。。。
このような方に向けて解説していきますので、ぜひお読みいただき、実践してみてください。それでは行きます!
なお弊社では、「オンラインショップ運営」について30分無料オンライン相談を承っています。ちょっとした事の確認・相談でも大丈夫ですので、こちらからお気軽にご相談ください。
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フェーズ1:オンラインショップ運営におけるマーケティング戦略を立てる
ネット販売を始める前に、まずしっかりと販売する商品の事を検討しましょう!すでにオンラインショップを運営している場合でも改めて見つめ直すことが、改善の第一歩です!弊社のメイン領域である「マーケティング戦略」の構築、見直しから始めることがとても重要です。
販売商品の提供価値、USPを考える
・販売商品の「売り」「強み」「アピールポイント」「セールスポイント」は何ですか?
→まずはここから考えましょう。箇条書きでもいいので、思いつく限り書き出してみましょう。
・販売商品はお客様の「どのような欲求、欲望を満たすか?」「どのような課題や痛みを解消するか?」
→次にお客様が販売商品を手にすることでどのような結果が起こるのか考えてみましょう。
・類似商品と比べた際の「優れている点」「独自な点」「劣っている点」は何ですか?
→さらに類似商品と比較した際の、自社商品の特徴を考えてみましょう。実際に類似商品をネット検索して購入してみることをおすすめです。というか2~3店舗で実際に買い物をしてみてください。
ここまですると自社商品の事がよりリアルに分かるようになっているはずです。マーケティング的には、商品独自の強み(独自性)、他の商品よりも優れている点(差別性)などを「USP」と呼びます。もちろん独りよがりではなく、お客様から必要とされるという前提の上のものです。
自社がオンラインショップで販売する商材一つ一つのUSPを考えることが、何を始めるよりも重要なことです。薄利多売、コスト競争を行うのではなく、しっかりと利益を取って販売をするためには不可欠なことです。
自社のオンラインショップが喜ばせたいお客様像を考える
・どんなお客様に買ってもらいたいか、どんな方を幸せにできるか
→さらにお客様の事も今一度考えてみましょう。買ってくれればだれでもいいというのは少々乱暴です。誰でもいいということは、誰からも選ばれないということ。
どんなお客様の役に立つのか、どんなお客様の悩みを解消できるのか、どんなお客様を幸せにできるのか、徹底的に考えてください。
既にオンラインショップをある程度運営している場合には、既存顧客リストを保有していると思いますので、既存顧客分析もこのタイミング実施しましょう。
・顧客リストの数(何名のお客様がいるか)
・顧客の質(リピーター回数、累計お買い上げ金額)
・その他、配達先、男女比、決済手段など
オンラインショップに限った話ではないですが、まずは自社商品理解と、お客様理解から始めるのが売上アップに向けた第一歩です。
ネット上では、容易に他社商品と比較されます。比較された際に「選ぶべき理由」が記載されていなければ、値段が安くない限り買われることはありません。
遠回りのように見えますが、オンラインショップ運用改善の第一歩として必ず見直しましょう。
フェーズ2:ECビジネス理解を深める
改めてネット販売するということについても確認しましょう。最近ネット販売を始められた方は、どのような売場で販売をしていますか?売場というのは、ネット上のショップの事です。下記売場から検討した方が多いのではないでしょうか?
・自社ECサイト
・ショッピングモール
この売場選びで、その後の戦略、施策は非常に大きく異なります。それだけ売場選びは重要なんです。
関連記事: 【Yahoo!ショッピング攻略】売上を上げる9つの打ち手をわかりやすく解説!
関連記事: カラーミーショップ アクセス数をアップさせて売上を増やす方法とは?
例えば、自社ECサイトを選んだ場合、「お客様集客」はすべて自社の努力で実施しなければいけません。どんなにデザイン性高く、魅力的な商品を並べても、お店が知られなければ、注文は入りません。
また、楽天市場などのモールを選んだ場合、モールの中でいかに露出(=目立つ)させるかということに全力で取り組まなければいけません。ライバルがものすごく多いですからね。
どっちがおすすめということは一概にはお伝え出来ません。それこそフェーズ1で検討した販売商品とお客様の内容によって最適な売場は変わります。
注意点としてお伝えしたいのが、自社ECサイトを「初期費用無料」、「月額費用無料」、「すぐに作れる」という理由だけで選ぶと失敗のもとになるということです。BASEやSTORESなどのサービスが該当しますが、これらのサービスでは売れるまで費用が掛からないのでリスクは低く抑えられますが、集客を頑張らないと売り上げは立たないということを忘れないでください。
後述しますが、リスティング広告などを活用して集客を図ることが必要になる、そこで投資が必要になるということは最初から理解しておいてください。
楽天などへのモール出店の場合も、ライバルが非常に多いので、適切な広告を使って露出を図り売上サイクルを確立する必要があることを最初から頭の片隅に入れておいてください。
フェーズ3:オンラインショップの数値目標作成
自社ECサイトでも、モールでも、しっかりと売上目標と、その達成シナリオを検討することが重要です。オンラインショップの売上方程式(訪問数×転換率×平均注文単価)をご存じでしょうか?
オンラインショップ運営は、デジタル上の事なので、ほとんどの事が数値で把握できるというのが良いところの一つです。だからこそ、「適切な数値目標を立てる」「しっかりと数値を把握しながら、改善施策を回す」ということが必要になります。例えば下記数値が最低限目指したいラインです。
・訪問数は1日最低100アクセス
・転換率は最低1%
・平均注文単価は3,000円以上
例えば、広告を使い集客する際にも、どれくらいの費用や労力をかけられるかということも目標数値次第です。適切な目標数値が立てられたら、次は目標数値達成に向けた具体的アクションの見直しをしていきましょう。
関連記事: オンラインショップ運営の目標数値設定の考え方と方法 押さえるべき6つの数字とは?
フェーズ4:オンラインショップの転換率を高める取り組み
①商品と商品ラインナップのブラッシュアップ
・商品名(シンプルすぎないか?)
・商品画像(枚数やイメージ訴求できているか?)
・商品説明文(必要十分な内容、量となっているか?)
まずはここから見直していきましょう。商品自体に魅力を感じなければ、購入してもらうことはできません。特にギフト商品は「贈っても大丈夫」と安心してもらうことが必要不可欠です。
また、商品詳細ページには「余計なリンク」や「SNSシェアボタン」は配置しないようにしましょう。外部流出の原因になってしまいもったいないです。お買い物に集中してもらいましょう。
さらに個別商品の見直しが済んだら、商品ラインナップの見直しも実施しましょう。
・初回限定お試しセット
・ギフトセット
・詰め合わせセット
・訳あり商品
・セール商品
・ネット限定商品
・期間限定商品
このように、商品ラインナップのバリエーションを可能な範囲で充実させていきましょう。またこれはテクニック的なことですが、あえて「高額商品(=プレミアム商品)」を用意することで、ショップ全体の価格の底上げを狙うことも1手です。
②ショップ自体のブラッシュアップ
続いてショップ全体も見直していきましょう。以下に見直しのチェック項目を列挙しますので、自社ショップに問題がないか確認してみましょう。
・メインビジュアルでどんなお店か一瞬で伝わるか?
・メインビジュアル直下に「お店コンセプト」を掲載しているか?
・TOPページに「商品検索窓」は設置されているか?(アイテム数の多いショップは必須。)
・カテゴリーバナーやキャンペーンバナー、各種案内系バナーは設置されているか?
※スマホ表示時の「ハンバーガーメニュー」は開かれないことも多いので、コンテンツ誘導はバナーを掲載することが望ましいです。
・季節感を演出出来ているか?年中同じ内容ではないか?
・キャンペーンなどを適宜開催し、にぎやかさを演出出来ているか?
・TOPページに売れ筋ランキングが載っているか?
・TOPページにお店紹介を掲載しているか?
・ご利用ガイド(初めての方向けガイド)を掲載しているか?
・FAQを掲載しているか?
・ギフトに関する説明を掲載しているか?
・アフターフォローに関する説明を掲載しているか?
・配送方法に関する説明を掲載しているか?
・レビュー(クチコミ)の取集と掲載をしているか?
・カスタマーサポート体制(メール、電話、LINE、チャットボット)は十分か?
上記は、あくまで一般的な内容になりますので、扱う商品や性質により異なる部分もあります。
③かご落ち対策
カート(お買い物かご)に入れるところまで来たのに、購入完了しないことを「かご落ち」と呼びます。利用者の様々な理由でかご落ちが発生しますが、一番もったいないことです。お客様がお買い物を中断する原因はないか、主に以下の内容を確認してみましょう。
・カートリカバリー、買い忘れ防止対策をしているか?
※利用しているサービスにより出来ること、出来ないことがあります。かご落ち防止のメールを送る、離脱前にバナーを表示させ呼び止めるなどです。
・決済手段を増やせないか?
※クレジットカード、銀行振込、商品代引きは必須の手段です。
・アマゾンID、楽天IDなどのID決済の導入ができないか?
※外出中のスマホ利用時にクレジットカード入力するのは面倒くさいことがあります。ID決済ならばスマホからでも簡単に決済完了できます。
・後払い決済を導入できないか?
※商品を確認してから支払いたいというニーズに応えることができます。代引き決済では、受け取り拒否問題もたまに発生するのでそれを防ぐこともできます。
・スマホからでも入力しやすいか?
※ちゃんとスマホ対応し、入力欄が見やすいかどうかは非常に重要なポイントです。
・入力時点における補足説明が万全か?分かりにくくないか?
改めてお客様になり切って購入完了まで進めてみてください。少しでも違和感があるところは改善が必要箇所です。またお知り合いの方から意見をもらうのも良いです。
関連記事: オンラインショップの売上アップに必要な「接客改善」の取組内容を解説!
フェーズ5:オンラインショップへの訪問者を増やす集客施策
①新規集客
開設したばかりのショップでは訪問数が少ないことが最初の課題です。そのためできる限りの手段を用いて新規集客に励むことが必要です。また、オンラインショップの新規集客では広告を活用するのが必要になることが多いです。(※目標売上や、リアル店舗の有無、知名度の有無、SNS活用状況によります。)
ここで大事なのが適切な投資を行うという考え方です。広告配信を費用と考えると躊躇してしまいますが、将来の売上を立てるための投資と考えればどうでしょうか?販売商品やお客様の事をしっかりと考え、さらにショップの改善に取り組んでいれば、訪問数を集められれば必ず購入いただけるはずです。
だから費用ではなく、投資という感覚を持って取り組んでいただきたいと思います。以下に新規集客のために活用できる手法を列挙します。
・基本的なSEO対策(内部対策)の実施
・リスティング広告、ショッピング広告
・ディスプレイ広告、リマーケティング広告
・SNS広告
・アフィリエイト広告
・Googleマーチャントセンターへの登録、ショッピング枠利用
・SNS活用
・Instagramをやっている場合にはショップ連携
関連記事: 顧客ニーズを踏まえたオンラインショップの新規集客とリピート集客施策について
関連記事: WEB広告を活用してオンラインショップへの集客を加速させる方法
関連記事: WEB広告を活用してリニューアルしたホームページやオンラインショップへの集客する方法
②リピーター集客
多くの場合、リピーター獲得が非常に重要です。というかリピーター獲得なくして、安定的なショップ運営はできません。必ず、既存顧客分析を行い、定期的に顧客の状態を把握することが必要です。以下にリピーター集客のために活用できる手法を列挙します。
・LINE公式アカウントの活用
・メルマガの配信(セグメント配信、ステップメールの応用的活用も検討)
・ECサイト専用のCRMツールを導入し、顧客管理とリピート対策を実施
※メイクリピーター、うちでのこづち、カスタマーリングス等が有名なサービスです。
・次回使えるクーポン配布
※初回利用から2回目利用への引き上げが特に重要なので、2回目を促すお得なクーポンを戦略的に使いましょう。
・DM配布
※累計お買い上げ金額、リピート頻度が多い人には特別なDMを送るなどして、お得意様感を演出しましょう。
・会員機能、ポイント制度の導入
※ネットショップではできる限り会員機能やポイント制度を導入し、自社サイトで何度も購入するインセンティブを与えましょう。
関連記事: 顧客ニーズを踏まえたオンラインショップの新規集客とリピート集客施策について
まとめ:オンラインショップ運営はPDCAがすべて!
販売商品とお客様に関する戦略を作り、ショップをブラッシュアップし、適切な新規集客とリピーター集客施策を実施したら、その効果検証を必ず実施しましょう。いわゆるPDCAの「C(検証)」「A(改善アクション)」の部分です。
ネット販売では、PDCAを高速に回して、自社にとっての最適化を目指していくことが売上最大化に繋がっていきます。とにかく施策の数を増やし、それに合わせ改善も増やす回転が非常に重要なんです!
なお弊社では、「オンラインショップ運営」について30分無料オンライン相談を承っています。ちょっとした事の確認・相談でも大丈夫ですので、こちらからお気軽にご相談ください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。